運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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言葉で聞かせて

先日UPした「声を聞かせて」の流れのおっさんと青年。
おっさんが乙女過ぎるかなーと思いつつも投下。
誰が何と言おうと、レイユリだと主張する。

…私最近、ブログとはいえSSのUP頑張ってるよね。
そろそろ休んでも良いかな。
この程度で息切れって、昔に比べて書けなくなったなー。

あ、でも約束早く書かなきゃ。
長いこと中断してるよね。
流れは決めた。残り3話で前半の決着がつくんだ。
(後半は二部という名の別話にしますよ、と)


 
 愛してるぜと言って抱きつこうとすれば、顔面めがけて拳を繰り出され。
 イイことしましょーと後ろから抱きつけば、鳩尾に肘鉄を叩きこまれ。
 コロッケ作ってサバ味噌も食べたいと言えば、いつもより九割増ぐらい甘いプリンを手渡され。
 ああ、もう、本当に青年の愛ってば痛いわと実感させられているのだけれども。
「ねー、青年」
「…………」
 だが宿の二人部屋に入ったところで、後ろからユーリの背中に身体を預けるように額を押し当てても拒絶されることはなかった。ユーリは前に出しかけた足をその場で止めて、「何するんだよ」も「どうかしたのか」もなく、ただ黙ったままじっとレイヴンの身体を受け止める。
 自然に扉が閉まる音だけが、押し殺したような呼吸で微動だにしない二人の間の時間を動かすように響いた。一瞬遅れてユーリの毛先が揺らいだが、扉の勢いによるものか肩を僅かに竦めたことによるものなのかは判然としない。ただ鼻先を掠めた艶やかな髪がくすぐったく、僅かに判別できる鼓動の音が気持ち良かった。
「おっさん疲れたわー」
「……。何言ってるんだよ。おっさん今日はほとんどカロル先生に任せてサボってただろ」
「んー、それは少年の成長を喜ぶべきところよ」
「ったく。――あと、あんまりジュディの乳ばっかり見るなよ」
「え? 青年もしかしてヤキモチ?」
 盛大な溜息が、触れた部分から背中越しに伝わってきた。
 ちょっとした願望ぐらい持っても良いじゃない。
「誰がだ。リタが今にもファイアーボールぶっぱなしそうだったぜ」
「ちょ、それは恐いわねー。青年、守ってくれるでしょ?」
「勘弁してくれ」
「ええー、それって酷い。酷いわ。おっさん悲しくて泣いちゃう」
 そう言いながら両手を前に回してユーリの身体を捕まえ、胸の前でしっかりと手を組み合わせる。逃がさないという意思表示だ。そんなことをしなくてもユーリが離れないことはわかっているが、こうしないとレイヴン自身が落ち着かないのだ。
 身体を引き寄せながら頬を背に押し当てる。ユーリは逃げない。
「……暑苦しいぜ、おっさん」
「おっさんには青年の体温が必要です」
「俺はかき氷でも食いたいけどな」
「甘いものから離れましょーよ」
 腕を取り、引き寄せていた身体を半回転させながら立ち位置を入れ替えてユーリを扉へと押し付けた。カタンと扉が音を立てたが気にしない。宿の間取り上この部屋は皆の部屋とは階段を挟んだ反対側にあるし、今日は暑くて汗もかいているから皆すぐに風呂にしているはずだ。誰も部屋に来るはずもないし、少々物音をたてても気がつかないだろう。
 壁を背に見下ろしてくるユーリの紫紺の瞳をじっと見上げ、両肩を押さえるようにしながら顔を近づける。白い肌の上で緩く閉じられた薄桃色の唇は魅惑的で、溜息とも誘惑とも取れる小さく吐き出された呼吸は外気温よりも熱かった。
 肩に手を置いたまま、目を眇めてゆっくりと近づく。
 唇と唇が重なるその瞬間まで、宵闇の空のように美しい紫の瞳がじっとレイヴンの姿を追っていることは、見ないでもわかっていた。鋭く、けれども甘やかな視線が、湿度の高い空気すら溶かすように注がれているのを感じるのだ。重ねた唇の隙間から下を差し入れて裏側から唇をなぞると、手の中のユーリの身体が小さく反応した。
 ――愛してる
 重ねた唇のまま、ユーリの中に息を吹き込むように囁けば、肩が壁から離れかける。持ち上げられた手がレイヴンの身体を押し返すような動作をしたが、実際に込められた力はとても弱くて、少し力を込めればその格好のまま壁に凭れかかった。
「愛してる、ユーリ」
 唇を離して繰り返せば、
「キスしてる時ぐらい黙れよ、おっさん」
 少しも可愛くない口調で、つっけんどんな言葉が返ってくる。
「青年にも言って欲しいのに」
「別に……いいだろ、そんなもん」
「言ってよ、青年」
「……。趣味ワリーぜ、おっさん」
「青年の声で聞きたいのよ。青年の声で青年の言葉を、おっさんに頂戴よ」
 レイヴン自身の愛の言葉など、それこそバーゲンセールでもしているかのようにありふれているけれども、ユーリからの言葉は滅多に聞かせてもらえない。言葉にしなくても伝わる。確かにそうだ。想いがなければユーリは決してレイヴンの行動を許さないだろうし、特別に想われていることもわかっている。閨の中では堪えながらも甘い声を聞かせてくれるている。
 それでも、言葉でも欲しい。恥ずかしながらぶっきらぼうに、それでも想いの全てをこめて囁かれる言葉。常のように低く、常とは違い小さく、皮膚に沁み骨を響かせ身体の奥を熱くする、ユーリから伝えられるレイヴンを満たすことの出来る言葉が、欲しいのだ。
「――し、てる」
 ああ、その小さな小さな囁きで、どれだけ満たされた心になるのか、この敏い青年はどれだけわかっているのだろうか。


角砂糖100個分の甘さ。
おっさんの乙女っぷりが、許されない範囲に足を突っ込んでる気がする…。

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