運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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リハビリ

レイユリ範疇に入るかな?
ダングレストでの断罪直後。


 
「青年?」
「…………何だよ」
「ちょ。まだ何も言ってないうちからそんな嫌そうな顔しないでよ。おっさん、傷ついちゃうじゃない」
「勝手に傷ついてろ、だいたい用事が終わったらさっさと消えるようなおっさんに、表情ぐらいで文句を言われる筋合いはねーな」
「なになに? おっさんがいなくて寂しかった?」
 一言もそんなことは言ってない。
 こちらの都合など関係なしで行動するおっさんだ。ガスファロストに来たのだって、ユーリを追って来たわけではないはずだ。以前、聖核を探しているといっていたから、あそこで動いていた魔核を調べに行くためにこちらを利用したというところだろう。
 別にそのことについては、多少なりとも戦力として役立ったからか構いはしないのだが。
「だってこんな夜遅くに出歩くなんて、人目を忍んでお楽しみをしにいくか、悪いことをするかの二つに一つじゃない」
 酒場以外から人の話し声がなくなる夜中。明かりがついているのは面倒見のいい主人がいる酒場か、安らぎを求める人間を受け止める娼館かぐらいのものだ。確かにこんな時間に裏路地を歩く人影など、買いに行くか悪事を働くかの二択ということは納得だ。現にユーリも、その一つを今終えたところなのだから。
 身体ごとレイヴンの方へと振り向くと、じゃりっと足下の細かな砂が砕けた。
「じゃあ、おっさんはどうなんだよ」
「おっ? 青年おっさんに興味ある? おっさんのこと知りたい?」
「寝言は寝てる間にしてくれ」
「本当に連れないわねー」
 体型を覆い隠すゆったりとした袖口から伸びた手を顎に当てて、軽いステップで二歩、ユーリへと近づいてきた。あと一歩でぶつかり合うほどの、間近の距離。
「おっさんはね、両方よ」
「……両方?」
「そう、両方。一つは青年の後をつけてきたっていう、趣味の悪い行動。もう一つは――」
 カタン。
 不意に肩を壁へと押され、揺れて剣の鞘が壁を叩いた。小さな音は、けれど他に音のない裏路地では妙に甲高く聞こえた。狭い路地の隙間の壁に反射して、いくつも折り重なって響く。
 目の前には、翡翠色の瞳。昼間は気付かなかったが、暗がりの中で覗きこむ瞳は軽い口調と不似合いなほど澄んでいて綺麗だった。新緑の葉を湧水に溶かしたような、透明で柔らかな薄翠色の優しい輝き。
 驚いている間にレイヴンは近づいてきて、言葉を発し損ねていた唇を塞がれた。
 強いアルコールの残り香が、重ねた唇から染み入ってくる。
「な……」
「隙を見て奪っちゃうっていうお楽しみ」
 瞳が眇められ、唇が離れた。
 悪戯を成功させた子供のように、年甲斐もなく楽しそうな笑みを浮かべる。随分とフザケタ行動だったが、天を射る矢の幹部だとドンの横に立っている姿よりは、幾分納得のいく姿でもあった。人を馬鹿にしたような言動は、まだ付き合いは短いが妙に慣らされてしまっている。
 もちろん瞳の奥は完全には笑っておらず、微かに自分と同じ血の匂いが漂ってきたことにも気づいてはいた。けれどもそれは口にしなかった。お互い様、というやつだ。
「……こういうのは女相手にしとけよ、おっさん」
「おっさん女性限定だけど博愛主義だからね。それは出来ないわ」
「?」
「可哀相でしょ、色々と」
 おっさん相手だとね。
 茶化したような言葉の片隅に、本音が透けて見えたような気がした。

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