運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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終わらない残響3

レイユリっていいよね。
ユーリ受けが足りなくて妄想が暴走してます。
二人とも別人なのは承知の上。

もう何でもOKよっていう猛者のみ続きよりどうぞ。
してないんですが(おい)アレなんで一応反転してます。




 頬から顎にかけて、そして首筋へと這わされていく指先の動きは、泣きたくなるほど優しげな手つきだった。綺麗な色合いの瞳はじっとユーリに向けられたまま、けれど感情の欠片も浮かべていない。だがその動かない瞳の奥に、何かが沈み込んでいる気配は確かにユーリに伝わってきて、音になろうとした拒絶の言葉を口の中で掻き消した。
 光のない眼差しは、だからこそ縋る様な眼差しに思えた。拒絶してみせろと冷たい刃を突きつけながら、拒まないでくれと手が差し伸ばされて懇願されているように感じる。拒まれて傷ついてそして終わらせたいと、そうレイヴンが望んでいるようだった。
 ――あの時も、そうだった
 最初のあの夜、宿で二人部屋になったあの時。どことなく様子がおかしかったが、立て続けに色々な事が起こり過ぎて、正直深くは考えていられなかった。だからレイヴンが無言で近づいてきた時も、暗い眼差しでユーリを見つめてきた時も、警戒しなかった。いや、警戒したくなかった、のかもしれない。
 肩に置かれた手に呼ばれ振り向いた先には、妙にゆっくりと動くように見えたレイヴンの唇。その唇が、聞き慣れた言葉を紡ぐのと、脳の奥を揺さぶられるような光を感じたのが同時だった。その光に自分の身体が平衡感覚を失い、目の回るような感覚に囚われる。立っていることが出来ずにレイヴンの足もとに膝をついたところで、その光が何であるかをようやく脳が伝えてきた。
 ヴァンジーロスト、だ。次第に痺れが身体全体を包み、直接手で掻き乱されるかのように意識が絡まっていく中で、それだけは辛うじて認識できた。レイヴンが発動させた術にかかったのだと。だが明確に記憶に残っているのはそこまでだ。混濁していく意識とままならない身体で、何かを叫んだ気がするが覚えてはいない。必死に抵抗したかもしれないし、もしかしたらその腕に任せたのかもしれない。虚ろな意識の中では記憶は断片的で感覚は曖昧だ。
 突き飛ばされて床に打ち付けた背中の痛み。肌に感じた空気の冷たさ。ユーリを見下ろすレイヴンの瞳。妙に美しく輝いていた術式の光。押し開かれる身体。下腹部に感じた熱と、次いで全身を貫いた激しい痛み。胃液が逆流しそうなほどの異物感。内臓が飛び出すかと思うほどの痛み。身体が引き裂かれるかと思うほどの圧迫感。焼けるような喉の痛み。それらは規則性のないフラッシュバックのように、繋がりなく再生される記憶だ。
 全ては細切で、けれど身体に残る感覚は時間がたてばたつほど鮮明に蘇ってくる。今でも夜になると、映像のない感覚だけが蘇ってくることがある。一人分の体温しか存在しないはずなのに感じる、もう一つの熱の存在。ベッドに横たえている背中に感じる、冷たく硬い床に擦れるような痛み。自分が漏らしそうになった悲鳴で目が覚めたこともあった。
 あの事が、恐ろしくなかったと言えば嘘になる。だがあの行為に、そしてあの時のレイヴンに、嫌悪を抱いたのかと問われれば、それは少し違う気がする。身体は自由に動かず、意識は掻き乱されて、何もかもが自分の制御下から切り離された状況だったとはいえ、それでも嫌悪に類するようなものをユーリは抱かなかったのだ。逃げ出したいほどの恐怖と、立ち去ることのできない心とが矛盾せず存在していた。
 あの時のレイヴンの乱暴に身体を押さえつけ弄ぶ手は、どこか頼りない子供のような弱々しさを感じた。嘲笑するように歪められた口元は、けれど泣くのを堪えているように見えた。
 言い訳、かもしれない。レイヴンが言ったように、ユーリは自分に言い訳するために都合の良いように考えているだけなのかもしれない。だがそれでも、もう一度やり直すことができたとしても、レイヴンの手を自分は振り解けないと思うのだ。
 あの時レイヴンが術を唱えるその瞬間、意識を奪う光を見る前に、ユーリは見たような気がするのだ。レイヴンの足下の、床に薄らと描き出された術式の紋様を。そしてユーリはその術が何の効果をもたらすものか無意識の内に理解していながら、目を逸らすことも逃げることもしなかった。レイヴンの唇が術の発動を促すのを、ただじっと見ていた。
「――青年は」
 絡みつく声が意識を現実の感覚へと引き戻す。
 指先が首筋を捉え、近づいてきた唇が生温かい吐息と共に呟いた。囁く声が鼓膜を揺らし、細い舌先が弄ぶように耳朶から首筋に這わされていく。そして肌の感触を確かめるように、何度も往復して温かな唾液で濡らしていく。
「本当に肌が白いわね。血が、似合いそうだ、わ」
「! っ――」
 濡れた個所に歯の硬さを感じたと思った瞬間、鋭い痛みが首筋に走る。染みるような痛みが指先を強張らせ、次いで纏わりつくようなドロリとした熱が首筋を覆った。逃げようとした身体はしっかりと押さえられていて、さらに深く肌へと喰い込まされて激しい痛みが広がっていく。
 レイヴンの口元から鼻につく鉄の匂いが溢れる。液体をすする水音が肌を伝わって全身に広がり、抑えようのない震えが身体を奥から揺さぶった。妙に湿り気を帯びたレイヴンの声音一つ一つが、神経の弦を爪弾くように響いてくる。ぴちゃぴちゃとわざと聞こえるように立てられる音が、耳障りなほど高く響いていた。
 噛み切った傷跡を確認するように舌が這い、傷口を抉るように押込められる。思いの外深そうな傷の痛みに跳ねそうになった身体は、やはり抑え込まれたままで自由に動かせなかった。後ろ手に縛られた手首に自分とレイヴンの二人分の体重がかかり、乾いた熱い痛みが伝わってくる。
「安心していいいわよ、青年」
「……おっさん、俺は」
「大丈夫よ。ちゃんと――後悔させてあげるから」
 血に染まった唇で酷薄そうに笑うが、その表情は泣いているようにしか見えなかった。最初の夜に術を発動させる前に見せた、あの時の唇の形と重なって見える。助けを求めるような、縋る様な、けれど全てを諦めているような、姿。
「どっちが……言い訳が必要、なん、だよ」
 ユーリの言葉を拒絶するように赤い唇は、後悔させてあげるから、ともう一度呟いた。


期待した方、ユーリ&おっさん好きの方、ごめんなさい。
そして私が変態でごめんなさい。
この続きはブログには載せれない(変態的な意味で)。
優しい後押しがあれば書くかもしれないし、書かないかもしれない。
本気出すとドン引きされそうなんだよなぁ…。

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