運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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終わらない残響2

自粛するなって声に応えて続きを。
レイユリ。ユーリもおっさんも泥沼に足突っ込んでるので注意を。
はっきりいって二人ともまるで別人です。
1話の時の注意事項が大丈夫な方のみ続きよりどうぞ。
18/禁にはなってません(笑)。
(その手のシーン書くの苦手なので全力回避…)




 見下ろしてくる視線には、好意にしろ悪意にしろはっきりと宿っている感情は見つけられなかった。透明度の高い若草色の瞳は、けれど色合いとは逆の淀んだ揺れを奥に秘めている。淀みは肌に絡み付いてきて暗い中へユーリを押し込んできて、逃れられない息苦しさを覚えた。
 無意識に飲み込んだ息が短く途切れ、掠れた悲鳴に似た音を立てる。その音を合図とするように、逃れようとしていた指が宙を掻き毟る形で動きを止めた。意思に反してピクリとも動かない身体。不意に訪れた静止に、レイヴンに向けたままの瞳に驚愕をこめる。実際には指先と同じように表情も動かなかったのかもしれないが、浮かんだ疑問と感情をレイヴンはわかっているようだった。
「――お代は見てのお帰り、ってね」
 笑わない表情のまま、常と同じ抑揚と乾いた笑い声を含ませた口調だった。
「術式は範囲を絞ってあるから、すぐに効果が切れるわよ。ま、その前に」
 抵抗しようとしたが、どれだけ力を込めようとしても身体は指先一つにいたるまでユーリの意思に反応しなかった。術により動きを止められた身体は動かず、けれど心臓だけは痛いほど内側から強く打ち付けてくる。浅い呼吸が喉の奥を焼くように熱を持っていた。
 無言のままレイヴンは動けないユーリに手を伸ばし、固く結んである帯を怖いほど丁寧な手つきで解いて外していった。腰の下から引き出されていく帯が、体重の乗った背中をざらざらと撫で付けていく。動かない身体に伝わってくる感触は小さな振動にいたるまで鮮明で、骨に直接響いて感覚が揺さぶられてしまうようだった。
 帯が抜き取られると、はらりと服の合わせが離れて肌に冷たい空気を感じる。
「こうやっておかないとダメでしょ」
 ユーリの肩をつかんでうつ伏せに返すと、動かない両手を腰の後ろで交差させ、抜き取った帯を巻きつける。幾重にも巻きつけて体重をかけて強く引き絞られ、こすれていく堅い帯が手首の皮膚を薄く破いていった。滲みるような痛みと圧迫される痛みが、手首を強く蝕む。帯を引き絞るためにユーリの身体を押さえているレイヴンの手のひらが人の体温を伝えてきていて、行動に漂う冷たさを逆に引き立てていた。
 指先に感覚が戻ってくるのがわかり、慌てて逃れようと身体を横に捩った。だが身体を押さえつけている手の力は変わらず、レイヴンの手つきは荷物を扱うかのように無造作なままだ。動きを封じながら覆いかぶさるように近づいてくる唇。生暖かい舌が耳朶を弄ぶように舐め上げ、耳の穴に柔らかな息を吹き込まれる。暖かな吐息は、けれど凍るように冷たい。
「言い訳が必要だものね、青年には。最初の時みたいに」
 頬を覆うように手が添えられる。染み込ませるように囁かれる言葉は、ゾフェルを覆う氷塊よりも容赦なく冷たい温度を有していた。その言葉だけで血を凍らされ、脈打つ心臓すら静止するような感覚になる。痺れのためかそれ以外の要因か、指先が小刻みに震えるのを止められなかった。
 左肩に痛みを覚える。あの時、指の跡が残るほど強くつかまれた時の、絶望に似た息苦しさが喉元を締め付けるようだった。
「抵抗を封じられて、逃げることも出来なかった。押さえつけられて縛り上げられて、どれだけ拒絶しても叶わずに強要された。青年は何も望まなかったのに奪われた。嫌だったのに無理矢理――関係を結ばされた」
 レイヴンの柔らかな色彩に暗い狂気が浮かぶ。だがその狂気の波間に一瞬、理性の欠片を見つけてしまい、ユーリは動くはずの身体を動かせず、出るはずの声も出せなかった。いっそのことすべて手放してしまっていれば簡単なのに。どちらにとっての不幸か、その一線は常に半歩向こう側に存在していた。
 静かな声音に宿るのは行き場のない刃か、差し伸べる先を失った手か。
「そうじゃないと、許せないでしょう? こうして触れられることなんて」
「……レイヴ、ン」
「大将はね、その名を一回も呼んでくれなかったわ」
「俺は、後悔――してない」
「大将を殺したこと? それとも関係を持ったこと?」
 逃れるように横を向いていた身体が仰向けに戻された。帯で固く結ばれた結び目が強く引っ張られ、紙やすりで手首を擦られたかのような痛みが走る。
「……本当に卑怯ね、青年は。嘘だってわかってて言うんだから」
「嘘じゃねぇ、よ」
「嘘よ」
 間髪入れずに返された言葉には、感情の片鱗が浮かんでいた。だがユーリから隠すように閉じられた瞼が、短い睫を揺らしながらもう一度持ち上げられた時には、それらは拡散して消されてしまっていた。
 逃げるなよ、とは言えなかった。一番最初の時に、追いかけることの出来なかったユーリには言えない台詞だ。
「……嘘になるわよ、これからね」
 ――じゃぁ何でアンタの方が苦しそうなんだよ
 伝えたいはずの言葉は今回も、喉の奥ですりつぶされたように砕かれ、音にならなかった。


最初に掛け違えたボタンは、いつまでも歪なまま延々と続く。
やり直したいと願っても、歪な関係すら失うのが怖くて、伸ばした手は止まる。
って言いつつ、ストップフロウかけるおっさんが書きたかったんだ(爆)。

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