運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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終わらない残響 -レイユリ-

レイユリもどき。ザウデ後。
おっさんもユーリも壊れ気味。
病んでて痛いので注意。
閲覧は自己責任。




「この手が――」
 呟かれる声はとても静かで、声音は驚くほど柔らかで、指先は優しく手の平に触れている。けれどもそこに宿っている感情はユーリに向けられているのではない。そんなことは今更確認するまでもなかった。レイヴンの感情が自分に向けられていたことなど、今まで一度もないのだ。レイヴンが見つめている先はいつでも、
「――彼を殺したんだね」
 ザウデでユーリが殺した一人の男だけ。冷たい光を宿し赤い瞳の、酷薄な笑みを浮かべる男だけだ。
 元騎士団長アレクセイ。蘇った星喰みを復活させ、ユーリの凶刃に倒れ、そして巨大な聖核の崩落に巻き込まれて死んだ男。
 ユーリ自身も海に落ちその後のことは詳しくは知らないが、あの場は倒壊してしまい、アレクセイの遺体は今も見つかっていないらしい。あの状況で生きているはずなどないが、その遺体はまだ誰の目にも触れていない。その事実が、深い傷を生み出していた。
「彼を斬った時、どんな感触だった?」
「…………」
「おっさんを斬った時と、一緒だった?」
「……。おっさん……」
「それとも、もう忘れちゃうぐらい青年にとっては軽かった?」
 問いかけは感情を排除したように淡々としていて、だからこそ逃げることが出来なかった。触れている部分は確かに人間の温かさを有しているのに、心の中は反対に凍えるように冷たい。何かを返さなければと思いつつも、今更その問いかけに返す言葉などなかった。重いと答えようが、軽いと答えようが、レイヴンは答えなど期待しておらず、また何を言っても言い訳の響きを帯びることはわかっている。
 ユーリは躊躇いなくアレクセイを斬りつけた。世界の危機だとか、大きな貸しがあったからだとかは言い訳だ。全て後付けの理由で、あの時はただ、アレクセイを許せないという衝動に突き動かされて動いた。何を許せないと思ったのか、その真実はきっと人には言ないことだ。自分自身で、そのことから目を逸らそうとしているのだから。
「この手が……指が……」
「っ……、ん……」
 レイヴンの口が徐にユーリの指を口に含む。指の付け根に前歯が押しあてられ、口が指を丸ごと咥え込み、ザラリとした舌が指先を舐め吸い上げた。痒いところに手が届かないもどかしさに似た感覚が背筋を撫で、時折混ざる痛みの刺激さえ拡散する。
「殺した。……血に塗れた、手」
「――っ!」
「ああ、本当だわね。血の、味がする」
 押し当てられていた歯に力がこめられ、指に鋭い痛みが走った。
 レイヴンは上目遣いでユーリの表情を見つめながら、水音を立てるように舌で傷口を舐めた。思いの外深く切れているのか、指を咥えたままの唇が血で赤く濡れている。傷口をなぞる様に這わされる舌の動きと、時折強く吸い上げられるたびに、根元からピリピリと痺れるような痛みが走った。
 だがそれと同時に、背筋を駆け上ってくる別の感覚もある。
 そのことにレイヴンも気づいているのか、若葉色の瞳には何の感情も見せないまま、口の端だけを持ち上げて笑いを模ってみせる。
「青年の血の味、嫌いじゃないわよ」
「俺は……アレクセイじゃ、ねぇ」
「当たり前よ」
 僅かに語気が荒げられ、けれど次の瞬間にはまた元の表情に戻った。
「でも青年には大将の最後が――染み付いてるでしょ」
 近づいてくる、血の付いた唇。
 嗅ぎ慣れているはずなのに、嫌に鼻につく血の匂いが漂ってくる。唇が重なると予想通り鉄に似た味が口の中に広がり、何かが纏わりつくように感じた。匂いと味が喉の奥を塞ぐように染み込んできて、息苦しさを感じる。
 息を吐き出したい衝動に駆られたが、揺らぎのない緑色に捕らえられ、無理矢理飲み込んだ。
 伸びてきた手に軽く押された身体は逆らうことなく、そのまま後ろのベッドに倒れ込んだ。ギシギシッと、ベッドのスプリングがユーリの身体を受け止めながら軋む。次第に収まっていく揺れの終わりに合わせるように、両手をユーリの耳の横で体重を支えるようについて、覗きこんできた。
 レイヴンの顔を見上げれば、ちょうど頭上に部屋の明かりが灯っていて、少し眩しかった。揺らめく明かりに照らされた髪は、茶色よりも赤に近い色に見える。影に覆われたレイヴンの無表情の中で、ユーリを映す瞳はより一層の無機質感を保っていた。
「ねぇ、青年」
 見下ろしてくる眼差しの冷たさは、心の一番柔らかいところに突き立てられる刃のようだ。抑揚の感じられない声は、肌を深く引っ掻いていく爪のようだ。
「おっさんが青年を殺したい、って言ったらどうする?」
「……」
「死んだら、もっと血が出るかな?」
「……」
「それとも逆におっさんを殺してくれる?」
「それ、は――」
「嫌、だって? でもそれって本当に、今更って感じじゃなーい?」
 ひじを曲げ、顔を近づけてくる。仰向けのユーリと今にも触れそうな位置にある顔。
 目を細めて、口の端を持ち上げて、表情は確かに笑みを浮かべているのに、瞳の奥にあるものは底なし沼のように淀んだ塊。紡がれる言葉は心に突き刺すことを目的とした鋭さを含ませながら、けれど熱のこもらない声音。
 淡々と瞳に写して、けれど何もまともに見ていない。
「おっさん、青年が欲しいのよ。あの人を殺した、青年がね」
 いいでしょ、と首を傾げて問いかけられる。
 その仕草は酷く子供っぽく、同時に酷く冷たく感じられた。


病んでる二人を書きたかっただけ。
アレ←レイ←ユリの報われない構造が好きです。
もはや別人なのは書いてる本人が一番わかってるが、何、気にすることはない。
続きは凌/辱っぽくなるので絶賛自粛中。

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