運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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約束3 -レイユリ-

今の私に恥ずかしいという言葉はない!
反省しても後悔しない!
これでもレイユリだと言い張る!
チューありなので注意。
いったい誰だよ、この乙女ユーリ…。




 人肌が心地良いと、そんなことを気づいたのはいつからだっただろうか。
 心音が気持ちを落ち着かせると知ったのはいつからだっただろうか。
 その声が、眼差しが、存在そのものが、側にいるのが当たり前に感じるようになり、手放すことが出来ないと気付いたのはいつだったのだろうか。
 それは随分と前からのようにも、つい昨日のことのようにも思える。
 促されるままに身体を仰向けに変えて、覗き込んでくる翡翠色の瞳を見上げる。
 背中に感じるシーツの柔らかさと、後頭部に感じるレイヴンの足の感触と、両頬に感じる手の平の少し冷たい温度と、膝枕をされている現状に対するくすぐったさ。心地良い感触と同等以上の恥ずかしさが熱となって込み上げてきて、思わず身体を起こそうとしたが、優しくだが確固たる強さで押し戻された。
 頬に触れていた手が離れ、少し乱れたユーリの前髪をそっと、壊れ物を触るように優しくかき分ける。そして髪の流れを追うように輪郭に沿って指を動かし、唇に触れる。
「――おっさん?」
「確かめてるのよ」
「…………」
「青年が確かにここにいるってね」
「幽霊じゃねーよ」
「わかってるわよ、おっさんも。でも年を取るとね、何ていうか、望んだものが目の前にあるっていう状況をがなかなか信じられないものなのよ」
 弓を引くレイヴンの指は、剣を持つ手とはまた違った部分が硬い。指が何度も唇をなぞっていく感触は何故かとても懐かしく、少しざらついているにもかかわらず心地良かった。
 不意にレイヴンの顔が近づいてくる。次第に大きくなってくる瞳の緑色が広がって、まるで草原のようだと思った。初めて帝都を出て一面に広がる景色を見た時の、鮮やかさと心地良さ。世界はこれほどに広大で美しいのかと、息を飲み無言で見入ってしまった瞬間。あの時と同じ光景が目の前に広がっている。
 艶やかな緑色が視界全体を彩ると同時に、柔らかな感触が唇に伝わってくる。次第にその柔らかさは温かさも伝えてきて、生きているのだと改めて実感する。そしてその唇がほんの少し震えていることに、胸が締め付けられる思いがした。
 唇の隙間から一瞬だけ差し入れられた舌が、甘く感じられた。
「――青年」
「ん?」
「こういう時は目、閉じるもんじゃなーい?」
「忘れてた」
「いやいやいや。そこは忘れるところじゃないでしょ」
「おっさんの目が、綺麗だなーって思ってたから」
「ちょっ、――おっさんを照れさせないの!」
「照れる、のか?」
 慌てて離れようとするレイヴンを、今度はユーリが首に手をまわして引きとめた。
 正面から真っ直ぐと向かい合い、確かにこうして近くで顔を見ることは最近なかったな、と思った。いつもすぐ近くにいるのに、間近で顔を覗き込むという状況は滅多にない。今までそれを別に気にとめたこともなかったが、なるほどそれは恥ずかしかったからなのかと納得する。
 じっと覗きこむ顔。見つめる瞳。普段は胡散臭い、としか思わないのに、
「ああ、確かに少し――照れくせーな」
 心が素直に好きだと、そう胸の奥で囁く。
 少し力を込めてレイヴンの顔を引き寄せる。普段は見せない動揺を顔に浮かべたその表情に、口の端に笑みをたたえてから瞼を下ろし、ゆっくりともう一度唇を重ねた。

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