運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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気づかない、ふり -ユリレイ-

ユリ→レイ気味。
本心を見せないおっさんは萌える。
おっさんの隠し事に気付くユーリも好物。


 


 ――ああ。ほら、まただ

 皆と他愛もないことをしながら、ふっと遠くを見つめる眼差しになる。つまらない会話を交わして浮かべる笑みが、ふと陰る時がある。夜中に静かに起き出すことや、皆の後ろから着いてきながらふと歩みが止まる時がある。
 今ではない時間を探す瞳。ここにはいない人物を探す瞳。
 それが誰かなんて今更過ぎて考えたくもない。そのくせ、
「という訳で、昼食はショートケーキな」
「ちょ、青年。何が「という訳」なのよ!」
 話を振ればすぐにいつもと同じ口調で、いつもと同じ表情で、いつも通りの言葉が出てくる。あまりにも見事にいつも通りを演じるのだから、逆に違和感を感じてしまう。まるで予め記録された音声が再生されているだけ、そんな気分にさせられる。
「意外と細かいこと気にするのな」
「意外は余計よ、意外は! っていうかショートケーキはご飯じゃないでしょ。いい年してそれじゃあ年少組に示しがつかないでしょーが」
「おっさんが甘いの食べたくないだけだろ。それに満場一致だから。じゃ、そういう訳で宜しく」
「満場一致って……。へ? よろしくって、おっさんが作るの?!」
「正解。ま、満場一致ってやつだ」
「おっさん抜きで話を進めないでよ」
「ボーっとしてたのが悪いんだろ」
 心ここに在らずだったのは気づいているとメッセージを込めても、特に動揺した様子もなく「おっさんを労わりましょーよ」といつもの道化た軽口が返ってくるだけ。
 気付かれていても、気づかれていなくても、気にしない。ユーリが何を考え感じていても、関係ない。そう、言葉ではなく態度で突き付けられているようで、水中に身体が沈んでいるかのように呼吸が苦しくなる。水は透明なのに、どれだけもがいても水面に出られないような苦しさ。
「期待してるぜ。おっさんのケーキは美味いからな」
「褒めてもなーんにも出ないわよ」
「ついでにクレープも作ってくれよ」
「……青年、おっさんの言葉聞いてないでしょ」
「聞いてる聞いてる。チョコとイチゴは必須な」
「あーそういう扱いね。おっさん拗ねるよ」
「取り敢えず拗ねるのは料理作ってからな」
「本当に拗ねるからね! 今すぐ拗ねるからね!」
 仲間としての明るい会話が上辺だけをすり抜けていく。
 まるで抱えている闇など何もないというように。


いつも本心を見せてないことを知っているユーリと、ユーリに気づかれていることに気づいているおっさん。互いにバレているのがわかっているのに演じ合う二人。

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