運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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シンゾウノオト -TOV-

レイユリorユリレイ。
どっちの要素が強いかは私にはわからない&以前も同じ様なネタで書いたけど気にしない。一応場所はダングレストでの心臓サブイベント時のイメージ。
ただあまりにも本編が好き過ぎて、腐女子にとっての萌えという名の「正義」を貫くのが難しいのが痛いところ。皆好き過ぎて妄想するのが申し訳ないってのは初めての感覚。ゲーム中での恋愛要素が絡まない関係が心底愛しい。

でも書く。それが私の「正義」だ!
↓ネタバレしてるので注意。




 驚きのあまりに声が出なかった。橋の上を吹き抜けていく夜風の冷たさと正反対の、胸元に不意に訪れた温かさに息が止まるかと思った。規則的に脈打つレイヴンの心臓が魔導器でなかったなら、あるいは本当に止まってしまっていたかもしれない。そう思えるほど予想外の出来事だった。
 恐る恐る視線を下に向ける。
 レイヴンの胸元に押し当てられた額と、その上を流れる黒く長い髪。暗闇の中でも黒く艶やかに瞳に映る髪はまさしく、今まで女性を口説く時に口にしていた「黒真珠のような輝き」に見えた。例えその持ち主自身が、罪を示す色だと冗談交じりに語っていたとしても、何よりも美しく見えた。混じり気のない漆黒は、太陽の下で煌めくあらゆる色の宝石よりも艶やかに輝いているように感じられる。
 その髪を撫でるかどうか十数秒ほど悩んで、けれど結論は出ず、レイヴンの手は触れるか触れないかの不自然な位置で停止を余儀なくされた。十分に長過ぎる間に、相手の方が先に言葉を発するか動いてくれるかを期待したが、相手は微動だにしなかった。少しでも反応してくれれば動きようもあるのだが、一度止まるとどうにも切っ掛けがつかめない。不自然な姿勢に疲れつつも、今更引っこめることも出来ない。
 どうしていいか本気で困惑していると、胸元の人物の肩が小刻みに震えた。
「おっさん、意外と手慣れてねーんだな」
 黒髪の下から皮肉のこもった噛み殺したような笑いが響いて耳朶を叩いた。
「――ちょ、青年。その言い方は引っかかるわ」
「博愛主義のくせに、扱い方が慣れてないってのは問題だよな」
「俺様は女性限定なの、女・性・限・定」
「それは悪かった」
 悪かったという成分が皆無の謝罪が続き、声に合わせる様にユーリはすっと顔を上げた。長くサラサラの髪が、迷って空中で止まっていたレイヴンの手を柔らかく撫でていき、正確無比に動いているはずの心臓がトクリと脈拍を早くしたような気がした。とっさにその髪を掴まなかったのは、理性が働いたというよりも、感覚が追い付かなかっただけだったかもしれない。
 神経を支配されているかのように自由に動けない感覚。
「ちゃんと動いてるんだな」
 長い指先がレイヴンの左胸を刺す。前線で剣を振るい、数多の魔物も兵士も斬り倒してきたにしては整い過ぎている指先。この手に、目に見えない罪の血がこびりついていることなど、知っていても想像することが難しい。
「何? 心配?」
「ぶった斬っても動いてるなんて、おっさんと一緒で図太いんだなと思って」
「そんな言われ方したらおっさん泣いちゃうよー」
「おっさんが泣いても胡散臭いだけだから」
 いつも通りに口の悪い言葉が返ってきたが、ユーリの視線はレイヴンの心臓の位置に固定されたままだった。声も心なしか硬い、と思うのは気のせいだけではないだろう。
 レイヴン自身の生命力を糧として動いている心臓魔導器。これを埋め込んだ人物が既にいない今、これがどれだけ動き続けるのかわかる者はいない。今まで生きていながら死んでいたような身であったからそのことを気にしたことはなかった。だが今、再び生きる理由を与えられてみると不安で仕方ない。死ぬ覚悟などとっくに出来ていたはずなのに、怖くて仕方がない。
 いつこの魔導器が、止まってしまうかと思うと。
「なぁ、おっさん。……笑っても良いぜ」
「――ん? 何がだよ、青年」
「それは……。残念ながら秘密だな」
「ちょ、それじゃぁおっさん、青年のこと笑えないじゃない」
「何だよそれ。最初から笑う気、満々かよ」
「だって滅多にないチャンスでしょーよ。気になって眠れないわよ」
「悪ぃな。俺は別に気にならないし。――先に宿で眠らせてもらうぜ」
 軽いノリの口調でユーリは続けると、ひらひらと手を振って背を向けて宿に歩いて行った。その口調が正確には、軽いノリを作ったものであることがわかるからこそ、レイヴンは合わせるように「おっさんを労わりましょーよ」と同じノリでその背に投げかけた。
 心臓の部分に手をやる。夜風にさらされて冷たいはずの身体が、そこだけ温かい気がした。
 もちろんそれはただの気のせいなのだろうけれど、それでもやはり、今だけはこの心臓にも血が通っているのではないかと思えるのだった。
「…………。笑える訳、ないっしょ」
 自分の身を案じてくれている優しさにくすぐったさは感じても、その優しさゆえに、もう一度生きていられるのだとわかっているのだから。


何だか色々変だけど気にしない。
実は同じ話でユーリ視点verもあるので次はそちらも書いてみたい。
私が書くとユーリもおっさんも乙女になって別人臭が漂うのが困ったところ。

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