運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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闇の淵 -アレティキ?-

ティキアレちっくな流れだけどアレティキと主張。
アレン相手のティキは少々Sっ気が混じった、襲わせ受けだと思ってます。コトが始まるまでは攻めポジションだけど、結局は組み敷かれる。普段の良い子の仮面を外して無理矢理迫ってくるアレンを愛しく思っていたら萌え。


 夕暮れ時。人が行き交う雑踏の中。誰も他人のことなんて気に留めない。そこにいることすら気にしない。身体が触れても、肩と肩がぶつかっても、一々気にするものなどいない。引っ切り無しに人が押し寄せるこの場所では、雑踏の中で誰もが一人だ。
 が、その中で白い髪が驚いたように立ち止まった。予想していたよりもやや早目で、期待していたよりもやや遅目の反応。つまりは上々の反応だ。意識していた分こちらの方が早かった、それだけの差だろう。少々アンフェアなことは、胸に残る痛みで十分相殺される程度のものだろう。
「アナタは……」
「よう」
 人の流れに逆らって立ち止まった姿に、速度を変えずに三歩近付き、目の前で止まる。
「久しぶりだな、少年。元気にしてたか?」
 驚愕、猜疑、戸惑い、敵意が浮かぶ眼差し。だがその裏で零コンマ数パーセントの安堵が横切ったことを確認し、ティキはゆっくりと口角を引き上げて笑った。全てを背負うと豪語した少年の中の、消しようのない優しさという名の甘さはが健在であることに満足しての笑みだった。そしてアレンが、ティキの眼差しと口調から、全てを瞬時に察したことに対する、愉悦でもあった。
 今でもアレンに剣を突き立てられた胸の辺りが痛むことがある。人を害することのないはずのイノセンスの、それでもティキに刻みつけられた痛み。それが何を意味するのはただ一つ。
「何故――」
「ここにいる? ここで何をしている? 僕に何か用ですか? ――そんな辺りかな、少年がオレに聞きたいのは。どう?」
「…………」
「答えてあげたいんだけどね、今日は大切な用事があるから、もう行かなきゃいけないんだな」
 本当に残念なんだけど、と繰り返す。
 いつもなら気の向くままの行動をとるが、今日に限っては、千年公に必ず時間通りに出席するようにと念を押されてしまった舞踏会がある。そんな物に微塵も興味はないが、その先に実を結ぶ結果には、今は少しばかり興味がある。少年が守ろうとしている世界の、人間の、その絶望的な行く末に。
 すれ違いすり抜けようとすると、少年の右手がティキを捕まえようと伸ばされてきた。小さく笑い、そのイノセンスではない右手を「拒絶」する。
 ハッとした表情を見せる少年に痛む心が心地良かった。
「オレを捕まえたかったら、塔で見せた左手の刃のようなイノセンスでないと、な」
「ぼ、くは……」
「じゃぁ、また、な」
 そう言い残して、同じ速度でティキは通り過ぎていく。
 傷つけることのできる刃のイノセンスが後ろから突き立てられることを僅かに願いながら。けれどそれは決して起こりえないものだと理解しながら。

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