運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

心を込めて -TODカーディム-

春だから甘い話を書こう第3段?
今度はTOD2からカーディムで。このCP好きだけど同士が少ないのがネック。
ディムロスとカーレルはプライベートでは普通に付き合ってる感じが良いなぁとか思ってます。そしてディムロスはベリセリオス兄妹には割と素を見せてたら萌える。



「こんなところにいたのかい、ディムロス」
「――あぁ、カーレル」
 剣を半回転させながら鞘に収め、蒼い髪が揺れて振り返った。吐く息が白い塊となって一瞬だけ彼の顔を覆い、すぐに澄んだ瞳が覗く。穏やかな眼差しだった。森の奥で人知れず湧水を湛えた湖のように澄んだ瞳だ。深い森の緑を映しこんだ深い蒼さをたたえた湖。緑と蒼が混ざり合った静かな瞳。
 カーレルは心の中でやっぱりと、小さく溜息をつく。予想通りの表情に、自分の予想が当たったとことを喜ぶ気になどなれない。
「予報を聞かなかったのか? 今日は吹雪になるので外出を控えるようにと言っていたよ」
「天気が悪いからといって敵は待ってくれなどしない」
「そこに異論はないけど、現在は作戦中ではないだろうに」
「……少し、身体を動かしたくなっただけだ」
 明け方に作戦から戻ってきたばかりだというのに?
 喉の奥まで出てきた言葉は溜息で誤魔化して飲み込む。その言葉は今は必要ないものだ。穏やか過ぎるディムロスの瞳が、雄弁に彼の心境を物語っている。
 追悼と悔恨と自戒。わかりやす過ぎる。
 気にするなという言葉は無意味だろう。ディムロスが指揮したからこそ最小の犠牲で済んだのだという慰めも力を持たない。戦争に犠牲はつきものだという正論も的を得ていない。全て彼自身が理解していて、けれど割り切れない感情を、それでも自分だけで処理しようとしているのだから。
「ところで告白してもいいかな、ディムロス」
「……ん? 何がだ?」
「最近趣味に目覚めたんだよ。少し凝っててね」
「カーレル???」
「やってみるとなかなか面白いんだよ、料理というのは。上手くできたと思うから、味見をしてくれないか?」
「お前が作ったのか?」
 初めてディムロスの表情が、平常から動いた。
「おかしいかい?」
「いや、おかしくはないが……」
「知識は万全だよ」
「それは心配していないが」
「あぁ、それに作ったのは私でハロルドは手を出してないから大丈夫だよ」
 以前ハロルドが実験中のサンプルを食堂の料理に混ぜたのは有名な話だ。無味無臭で危うく全兵士に回るところだったのだが、幸いにも効果が即効性だったために、最初に口をつけた数十人だけで犠牲を食い止めることができた。あれ以来ハロルドの調理場への出入りが禁じられた上に、扉には鍵がかけられることになったのだ。
 それに、大規模なハロルドの実験以外でも、ディムロスとカーレルは度々彼女に変なものを飲まされている。口に入れるものを彼女の側に置くなというのは、もはや常識的な注意事項だ。
「それは大前提の話だが――」
「クリームシチューをね、作ったんだよ。美味しいバターが手に入ってね」
「……で、その鍋はハロルドの近くに置いたままなのか?」
「それは大丈夫だよ。鍋には鍵を掛けておいたから」
「鍋に鍵?」
「必須だろう?」
「まぁ、確かに、な」
 少々言い淀みながらも首肯するディムロスの腕を掴む。
「さぁ、問題ないなら冷めないうちに食べてくれるだろう?」
 深く考える時間を与えないように引っ張ると、諦めとも了承ともとれるような溜息が返ってきた。だがその眼差しには先ほどとは違う色合いの、穏やかさが横たわっていた。
「ありがとう、カーレル」
「……感謝は、味を見てからにしておくれ」
「――あぁ、そうだな」
 カーレルはディムロスの表情から力が抜けるのを確認してから、歩き出した。

| テイルズ(X・A・D・S-R・マイソロ) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。