運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ひかり、ひかる-セシカイ-

まだFF4クリアしてません。
あれだけマップに注意してたのに全マップ制覇できていないらしく、トレジャーハントがゲットできなくてショックです。なのでもう一度心当たりを回ってます。ついでに持ち越しアイテムのしっぽ集めにも奔走。でもそろそろクリアしないと、世界樹の迷宮2もSO1もTODディレクターズカット積んでるし、まもなくSO2発売なのに!
というわけで、ゲームするために仕事辞めたい病が発動中です(笑)。
ちなみに今回のSSはセシカイ好きのSさんに捧ぐ。好みじゃなかったらごめんなさい―。



 いつも見慣れていたはずの背中だったはずだ。
 最初は自分の世界に割り込んできた気にくわない思いだけを抱えて見ていた。王から受ける特別な眼差しも、何かと世話を焼くローザの行動も、何もかもが気にくわなかった。カインが手にしていないものを差し出されながらそれに手を伸ばすことなく、背を向けて理不尽や痛みを諾々と受け入れる姿が腹立たしかった。望みがあるのなら手を伸ばすべきなのだ。それなのに周りにある光を見ずに暗黒の力を受け入れるその姿が、事あるごとに苛立ちをさそった。
「――カイン、僕は」
 立ち止まった背中は躊躇いを含みながら振り返った。
 夜の月明かりを受けて淡い金の髪がプラチナのような輝きを反射させ、優しい空を思わせる瞳がその光を受けて漣のような揺らぎを見せる。昔のように言葉に含ませる戸惑いと躊躇い。昔とは違い光そのもののように輝く姿。
 あぁ、彼は確かにパラディンとしての力を手にしたのだと実感させられる。例え今、暗黒の鎧に身を包んだとしても、以前のようにそのまま闇に沈んでしまうかのような危うさを感じることはないだろう。月の光も届かない深い闇の底でも、自ら光を生み出すことができるだろう。
 セシルはどこか変わった。光に包まれた姿もそうだが、彼自身は何も変わっていないはずなのに、受ける雰囲気が変わったように思う。以前のようなどこか壊れそうな頼りなさが消えて、穏やかながら強い意思を感じ取ることができるのだ。暗黒の気配で覆い隠されていた脆さが、淡い光の中に存在する確固たる力へと変わっている。
「カインがいたから前に進むことができた。そう、思う」
「……そんなはずはない。お前はお前の力で変わって、そしてここまで来た。俺は何も――俺には何もできなかったさ」
 存在していたのは小さな矜持と、矜持で隠そうとした嫉妬だけだ。竜騎士としての誇りと、けれどその誇りを持ってしてなお、拭い去ることが出来ない醜い感情。消し去ることができず、だからと言って認めてしまうこともできず、日を追うごとに自分の中で大きくなり制御できなくなっていく感情。
 それは嫉妬なのか。あるいは恐れなのか。
 わかるのはその感情が、セシルの背を見るたびに大きくなるということ。
 彼の側にいればいるほど大きくなり、彼の側を離れていればいるほど暴れるということ。
「違うよ。僕は弱い」
「そんなことはない」
「弱い、よ。誰かの助けを受けなければ前に進めない」
「…………」
「カインがいつも助けてくれたから、僕は逃げずに済んだ」
 そうやって自分の弱さを認め、誰かの助けを受け入れられることは強さだ。
 眩し過ぎるほどの、正しい強さだ。
 苦しくなるほど正道を貫いた、姿だ。
「僕はカインの為に強くなりたい」
「自分の身ぐらい自分で守れる」
「そうじゃないよ」
 白い手が伸びてきた。盾を構え剣を振るうはずの手は、けれど象牙細工のように白くて整っている。長く細い指先は武器を構えるよりも楽器をつま弾いたり本を手にしたりしている方が似合いそうだ。
 指先は顔を覆う兜のラインに沿うように動く。まるで壊れ物を扱うかのような繊細な動きだ。自分はそんな風に扱われなければならないほど弱い訳ではない、そう振り払おうとしたが、声帯も自分の腕も思い通りには動いてくれなかった。
「カインが、大切なだけだよ」
 冷たい兜越しに、感じるはずのない指先の熱が伝わってくる気がした。

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