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運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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小さな答え -ジェイルク-

エルドランド突入前夜ぐらいのイメージで。
ルークは自分の命を掛けてさえ、誰かに愛される資格などないとどこかで思っていたんじゃないかと思います。ちなみにジェイルクは暗くなるのがデフォです。



 愛してくれなんて言わない。ずっと側にいてくれなんて言わない。俺の罪を許してくれなんて言わない。俺を見てくれなんて言わない。ただ拒絶しないでいてくれたらいい。
 怖いけど怖いと言って困らせたりしない。死にたくないけど、死にたくないと言って困らせたりしない。だから少しだけ優しく背中に触れて欲しい。
「少しだけで、いいから――」
 懇願の台詞を口にして手を伸ばす。
 狡いなと自分でも思ったが、それ以外に相手に触れる術をルークは思いつけなかった。そして方法を選んでいられるほど自分に時間が残されていないことも分かっていた。狡くて卑怯で拙くて、認めることはできても変えることはできない。
 触れると、明け方の空気に冷やされた布の冷たさが伝わってきた。ジェイドがいつもルークを見つめる眼差しと同じで拒絶するようで体温を含んでいない温度。けれどじっと触れていても逃げることのない感触。そして次第に温かくなってくる空気。
 触れた胸の先、戸惑うような呼吸と一瞬だけ不規則になった心臓の鼓動がとても心地良かった。相手に押し付けた頬から次第に少しだけ温かみが伝わってくるようで、それだけで心の中に出来ている埋めることの出来ない穴が満たされるような気がした。それは管を通っていく水の流れのように瞬きするぐらいの一瞬の出来事だったけれども、乾いた砂漠に染み込む一滴の水でしかないかもしれないけれど、うるおいを確かに感じることができた。
「ジェイドの傍にいると落ち着くんだ」
「――私は貴方の精神安定剤ではありませんよ」
「うん、わかってる。でもそう思うんだ」
「迷惑です」
「うん、でも少しの間だけだから」
 それは、今少しだけ側にいるという意味と、もう後少ししか存在していられないから長い期間ではないという意味と。自分で言葉にしておいて少しだけ怖くなり、けれどそれを言い訳にジェイドに回した手に力を込めた。
 手袋を嵌めたジェイドの手は下ろされたままだった。その手がルークの背に回ることを望んでいたけれども、それが現実には起こりえないことも承知していた。ただその手がルークを引き離そうと肩をつかんだり身体を押したりしなかった、そのことだけで良かった。もしジェイドがルークに向かって手を伸ばしてくれることがあるうとするのならば、それはきっとルークが音素に分解されて消えるその瞬間だけだろう。それも僅かだけ。本人以外は動いたことすら気付かない僅かだけ、弾かれた反射のように動くだけだろう。
「それで、いいから」
「…………」
 確証などないけれど確信しているその小さな反応を想像するだけで良い。
 それだけで満たされる。
 消えてしまう体では何も残せないし何も渡すことが出来ないから、だから残りの少ない命を掛けてこの世界を救って、ジェイドが見せてくれる小さな答えをもらっていく。それが望める精一杯だから。

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