運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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この手を、 -イクディム-

復帰第1段?
短いけど気にしないー。意味がわからなくても気にしないー。
ラブい話を書く前の自己流リハビリです。



 離せとも、掴めとも言わないのですね。
 蒼い髪が揺れる背中に伸ばしかけた手を自分の意思で止め、心の中で呟いてみた。女々しい言葉だと思いながらも、呆れる自分の理性とは裏腹に、感情はその言葉が生み出した小波に揉まれて揺れ動いていた。ディムロスがどう反応しようともそれでイクティノス自身の何も変わる訳がないのに、答えの出せない責任をそうやって押し付けている。
「状況は?」
「東側、西側の拠点とも戦闘はすでに終結しています。ここが最後です」
「……そう、か」
 返答に一瞬間が空いたのは、きっと犠牲の多さを思ってのことだろう。そして苦い表情をしたのは、自分が出向いていれば犠牲を減らせたかもしれないと考えた、自身の傲慢さを疎んでのことだろう。生真面目なことだ。いっそのこと自分がいれば戦いが有利に進むと豪語して憚らないほどの性格であればよいものを、戦争に身を置くには変に潔癖過ぎる精神だ。
 苛立ちと、そして眩しさを感じずにはいられない。
「たまに私は、虚しく思いますよ」
「イクティノス?」
 彼から与えられるのならば拒絶ですら甘美だ、そう臆面もなく言葉にしたのはカーレルだった。だがその言葉に嫌悪を抱きつつも否定できなかったのは、イクティノス自身だ。隠そうとしている奥に眠るものを、カーレルは事あるごとに見せつけるように暴きだす。そして少しも隠さずに言うのだ。大丈夫です、私もそう思っていますから、と。知恵の林檎を食べるように唆す蛇のように。
「私が言うと変ですか?」
「いや……」
「私も虚しく感じることはありますよ。この戦いの果てに何があるのか、と。この戦いの先で自分の望むものは手に入れられるのか、と」
「…………」
「もしかしたら戦いなど終わらなくても、望むものを手にできるのではないか、とね」
 戦いに疲弊し、その身体が崩れることがあれば、手に入るのではないかと思う。戦争が続こうが、天上軍の勝利で終わろうが、関係ない。ただその張りつめた精神の糸が切れることがあれば、それさえ望めば良いのではないかと。
「……何のことだ、イクティノス少将?」
「別に。ただの例え話ですよ。愚かな、ね」
 途中で止めていた手を伸ばして、何気ない表情のまま蒼い髪に触れる。所々に返り血がこびりついていたが、それでも鮮やかな蒼さは損なわれるものではなかった。さらさらと指の間から逃げるようにこぼれていく様が、憎らしいほど美しかった。

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