運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ロク刹、とか言ってみる

今更ですが、だぶるおー19話に触発されて書いてみた。
ロク→刹の方が好きなんだけど、ここは敢えてロク←刹の風味で。
慣れないうちはキャラを掴み切れていない上に内容がしょぼいのはお約束。



 この優しい手を振り払えない。
 この優しい手に触れられていていい理由なんて一つもないのに。この温もりを感じてもいい理由なんて一つも思いつかないのに。この手の傍に存在していていい理由なんて、争いが一つもない世界の中にだって、あるはずもないのに。
「何故?」
 答えを求める思考が百回は同じ道を辿ったところで問うてみた。
「さーて。何故だろうな」
 微笑と、少しだけ軽い口調で問い返された。
 けれどその声が微かに掠れていることに気づいて、その事実と、気づいた自分に驚いた。
 人が何を考えていても自分には関係なかった。人が何をしていても自分には関係なかった。人が何を思おうと、自分に関係などあるはずがなかった。自分にとってはただ、ガンダムという存在がすべてで、それ以外はあってもなくてもどうでも良かったのだ。
 それなのに、気づくはずのないことに気づいた。彼の声が掠れていることに。絞り出すような苦しさを纏っていることに。浮かべた笑みがいつもよりぎこちないことに。見つめてくる瞳の中心が、少しだけ刹那から外れていることに。
 ギリリ、と痛んだ。
 彼の大切なものを自分が奪った事実に、ではない。自分の犯した罪の重さに、でもない。もしかしたら自分の命が終わっていたかもしれないという恐怖ですらない。もしそうであったなら、自分は少しはまともな人間だったのかもしれない。
 痛かったのは、真正面しか向けられたことのなかった顔が、ほんの少し刹那を避けていたこと。ただそれだけの事実に肺に杭を打たれたかのような痛みを覚えたのだ。そんなことに痛みを感じるような資格などあるはずもないというのに。
 答えられなくて視線を逸らすと、テーブルの上には無造作に投げ出された銃があった。本来ならそれはそこではなく、彼の手に握られていて銃口は刹那に向いているはずなのに、何故か誰にも向けられずにテーブルの上に放り出されていた。
 死にたい、訳じゃないはずだ。
 死んでもいい、とも思っていないはずだ。
 それなのに、ロックオンが引き金を引くのならば、その銃口の前から逃れるつもりはなかった。逃れたいとも思わなかった。引き金が引かれる音を、銃弾が打ち出される音を、最後まで聞いていたいとさえ思ってしまった。
「わからない」
「……そうか」
 ――お前が俺の銃口の前から逃げなくていいと思うのと同じように、俺はお前に向けた銃口ならば引き金を引かなくても良いと、そう思ったってだけのことだ
 遠くを見ながら静かに告げられた言葉に、疑問は再び振り出しに戻ったが、胸の苦しみがゆっくりと流れていく音が遠くで聞こえた気がした。

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