運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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時間を下さい -ジェイルク-

久しぶり過ぎるんじゃね?と突っ込みたくなるほど久しぶりのアビスSS。ほら、もうすぐTOSの続編もあることだし、テイルズ熱も次第に盛り上がってるわけですよ。
ジェイルクは何を書いても切ない気がします。初恋に気づいた時には失恋が確定していた、という感じかな?どうしようもないタイムリミットが見えている状態での、悲恋さゆえの純愛というか。恋と気付かず、愛と知らず、別れの瞬間まで手を伸ばすことすら躊躇ってしまう関係。



 不思議な光景だ、とルークは思った。
 もっと正確に言うのならまったく理解できない状況で、どうすればいいのか分からずに膠着してしまっているのだ。この状態をどう捉えたらいいのかわからない。いったいどう行動すればいいのかわからない。そもそもどうしてこういう状況になっているのか理由の推測もつかない。
 はぁと溜息をついて、遠くに泳がせていた視線を自分の右側へ戻した。もしかしたら状況が変わっているかもしれないという淡い期待は、やはり予想通り裏切られた。
 ルークの右肩にあるのは、長い甘栗色の髪。もちろん髪の下には顔がついているし、顔の先には身体も手足もついている。ただ普段はルークを無表情に見つめる赤い瞳は閉じられていて、ピンと伸びている背中からは力が抜け、常に届かない位置にある頭がルークに預けられていた。
 つまり眠っているのだ。ジェイドが、ルークの肩にもたれかかりながら。
「何か、嘘みてー」
 そっと前髪に触れてみても動く気配がない。息をしていないのかと一瞬不安になったが、頬に触れる寸前まで伸ばした手の平には静かな呼吸が伝わってきた。良く見れば力の抜けた肩が微かに上下しているのも見て取れた。
 これだけまじまじと見つめるのは初めてだった。普段なら少し視線を向けただけで何か用があるのかと冷たい眼差しが返ってくるし、それでも見詰め続けていたら刃物よりも鋭く低い声が切り返してくるのだから。そもそもジェイドの寝顔を見たこと自体が初めてだった。いつでも誰よりも遅くまで起きていて、誰よりも早く目覚めている。寝ないで済む体質なのかと本気で疑ったものだ。ガイに言わせれば軍人なのだから人前で簡単に眠ったりしないのは普通だ、ということなのだが。
「本当に眠ってる、よな?」
 貴方の行動を試しましたとでも言われた方が安心する状況だ。冷たい眼差しで見つめられ辛辣な口調で、用がなければ失礼しますと、そう言われる方がいくらかまだ耐性がついている。それなのにこれは、あまりにも予想外で想定外で想像の範疇を超えていて、呼吸すら忘れてしまいそうなほどの緊張を強いられる。
 ならば気付かなかったふりをして動けばいいものなのだが、そう思いつつも身体は動いてくれない。冷たい態度と言動の死霊使いの、服越しに伝わってくる仄かな温もりが、この時間を終わらせる決断をさせてくれなかった。
 ――あと、もう少しだけ、俺に時間をくれよ、な
 言い訳のように心で呟いて、肩にかかる重みと温もりに頬を寄せた。 

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