運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

Dグレ -師←ティキ-

暗いなぁ、と呟きながらUP。
捏造甚だしいのでご注意を。


■神に跪くほど悪趣味ではないけれど■

 手袋をしていても手が冷たいなと思った。元々防寒用の手袋ではなく、儀礼的な体裁を整えるためのものなのだからそれも当然なのだが、不意に忌々しい気分になった。
 手にしていた煙草を唇に挟み、左の中指の先をつまんで手袋を引っ張って外す。空気が直接肌に当たり冷やりとしたが、構わずに右手の手袋も外す。一気に冷えた指先がさらに悴んだが、気分は幾分か晴れた気がした。しっかりとネクタイで止められている襟元を強引にこじ開け、深く息を吸い込む。肺の中まで冷たくなりそうだった。
 ガチャリ、と鳴った扉に視線だけ向ける。咥え煙草のままで肺の奥まで大量に煙を吸い込み、吐き出しながら口を開いた。白い煙が視界を染め、苦い味が舌の上に広がる。
「あー、お帰り。クロス」
「……また貴様か」
 扉を開けた人物はティキがいることを予想していたのか、驚きの表情は見せなかった。代わりに嫌そうな表情を十二分に貼り付けていたが、ティキは気にせずにひらひらと手を振って見せた。
「悪いけど寒いから早く閉めてくんない? あと、暖房ないの、この部屋?」
「一度死ぬか?」
「そりゃ死んだら寒くないけど」
 不機嫌な赤い髪にティキは肩をすくめ、寝そべっていたソファに手をついて起き上った。
「帰れ」
「冷たいねぇ。オレ、疲れてるんだからさ、少しぐらいいいだろう。それにさ、仕事は正装ってどうよ? この格好してるだけで疲れるんだよねー」
「俺が知るか」
「あ、エクソシストはいつも制服だっけ?」
 でもこっちの方が窮屈そうでしょ、と言ってティキはシャツを引っ張ってみせた。仕事をする時は正装で、というのは千年公の言いつけだ。わざと汚してしまっても、次の日には新しい一式が届けられるのだから仕方がないのだが、普段は楽な格好ばかりのティキにはそれだけでも疲れる気分だった。
「いい加減にしろ」
「オレが来ると迷惑?」
「迷惑だ。特にフラフラ迷ってる奴に側にいられると苛立つ」
「…………」
 ぶつかり合った視線を先に逸らしたのはティキの方だった。
「フラフラ、ね」
「仕事帰りに来るな」
「……わかる?」
「血の匂いをさせておいて言うな。それに貴様が似合わない表情をしているときは、どうせつまらない理由だ」
「酷いなぁ。――ベッドの中と一緒で、さ」
 ハハハと笑ったが、笑い声は酷く味気ない乾いた音となって二人の間で粉々に砕けて響いた。クロスが何を言っているかわかっているからこそ触れられたくない内容であり、それがわかっているからこそ口にするクロスだ。
「なぁ。仇、うつ?」
「…………」
「たぶんお前の知り合いだよ?」
「死にたきゃ勝手に死ね」
「冷たいなぁ」
「貴様の趣味に付き合うつもりはない」
「……趣味?」
「自虐趣味」
 言い捨てられた言葉に反射的に反論しようと口を開けたが、言葉はティキの口から出てこなかった。わざと見せつけるようにテーブルへと放り投げられた二丁の拳銃を、ただ視線だけで追いかけた。
「自分でやるなら見てやってもいいが部屋の外でやれよ。俺は綺麗好きでな。汚れた場所で寝るのは虫唾が走るからな」
「虫唾、ね。言うなぁ」
「貴様に合わせただけだ」
「――それ、エクソシストでなくても使えるの?」
「引き金を引けば弾が出る。死にそうな場所に撃ち込め」
「普通はさ、ちょっとぐらいは止めない?」
「やるならやれ。嫌ならやめろ。決断ぐらい自分でしろ」
 どこまでも淡々とした口調に、ティキはソファに座ったまま小さく溜息をついた。クロスがそう答えることなど最初からわかっていることだ。何かをするなとも言わないが、何かをしろとも言わない。全て受け入れているとも、何も受け入れていないとも取れる態度と行動。それは出会った頃から何も変わっていない。
 冷たい神の使徒。救いなど一つも与えはしない。
「……帰るわ」
 諦めて吐き出した言葉にそうかの一つも返ってこず、クロスの瞳を見ないようにしながら横を通り過ぎた。仄かに香る自分とは少し違う血の香りに、小さく唇の端を噛み締めた。

| Dグレ | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。