運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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知らないから -イクディム-

TODディレクターズカット発売記念SS。
この二人ならどっちかって言うとTOD2じゃないの?って突っ込みは禁止です。……いや、ディムスタとかも書いたんですけど、あまりにも暗くなってボツにしたんですよ。久しぶりに書くとさじ加減がわからなくてね。



 視線で人が殺せるのならば良い。じっとその姿を瞳に収めながら最後の瞬間まで漏らさずに記憶できるだろうから。
 もしくはこの手に力があればいい。彼よりも強い力があれば、その身体を組み敷き押さえつけ、抵抗をものともせず心臓に剣を突き刺すことができる。そうすれば彼を殺した罪悪感と彼が誰の手にも渡らない安心感で満たされるだろうから。
 それとも彼がもう少し優しさを忘れてくれればいい。それならば彼から明確な拒絶を突きつけられるか、それとも逆に殺してもらえるかもしれない。心か身体、どちらかが機能を停止させれば悩まされている苦しみとも別れることができるのだから。
「どうだ? 現存戦力で何とかできそうか?」
「……そうですね。難しいですが、私の情報部からも多少人員を割けば何とかなるんじゃないでしょうか」
「指揮はシャルティエに任せようと思うのだが」
「あぁ、丁度いいですね。彼はこの手の細かな作戦の方が向いてますね」
 心の声を表面には出さずに答え、書類上の文字を追っていた視線を少しだけ上げた。
 白い服に覆われた肩は服の上からではそれほど大きくは見えない。もちろん鍛え上げられていてイクティノスよりも立派ではあったが、戦場の彼を知っているものは雰囲気の違いに驚くだろう。蒼く繊細な色合いの長い髪。鋭さはあるが優しさの宿った翠の瞳。厳しさを伴った動きではあるが乱暴ではない行動。威圧感のある声で発せられるのは、常に誰かを守るための言葉。
 地上軍の軍神ともいうべき男――ディムロス。
「期日は?」
「明後日だ」
「厳しいですね。ですが――努力しましょう」
 すまない、と答える声に、いつものことですよと笑って返す。そして表面上はいつもとなんの変りもない自分の姿を、冷めた眼差しで見つめるもう一人の自分。こうやって同僚で居続けることに何の意味があるのかと、やかましく底意地悪く尋ねてくる自分の影。
 この部屋には他に誰もいない。ディムロスのイクティノス相手に何の警戒もしていない。今ならば不意を衝いて手を取り壁に押し付け、自由を奪うことはそれほど難しいことではない。小技の効いた戦い方ならイクティノスの方が得意だ。力技では敵わなくても、やり方を変えればいくらでも勝つ方法はある。
 書類を差し出す。受け取ろうとディムロスが手を伸ばす。
 今ならできる。望むなら奪える。
「では正式な書類は明日、カーレル経由で提出させてもらう」
「……ええ、わかりました」
 そのまま彼のもとに移動していく書類を見つめる。返答が一瞬遅れたのは動きそうになる手を握り締めていたからだが、幸いにもディムロスはそのことに気がつかず、そのまま部屋を後にした。
 残ったのは蒼い残像と、手の平の爪痕だけ。

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