運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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今はない、けど -ディムスタ-

スタンが乙女だし話が暗いし…。と思いつつもUP。
ディムスタは基本悲恋だと思います。かつ初恋だったらさらにいいと思う。



 本当にいつの頃からか、もうわからなくなってしまったけれど、あまりにも当たり前に傍らにいたから、失うことなんて考えもしなかった。今思えばその考えに根拠などなかったはずなのに、太陽が東から昇ってくることのように、彼が自分のすぐ傍にいることを当然だと思っていた。
 最初から一緒にいた訳でもないのに。一緒に過ごしたのは、実際には短い時間だったはずなのに。自分にとっての世界は彼がいることが当たり前になっていた。呼べば低い声が応え、戦いの中ではいつもアシストしてくれて、知らないことを色々と教えてくれた。少し短気なところはあったけれど、いつも最後まで付き合ってくれた。
「ディ…ム、ロス……」
 呼びかけても答える声はない。返ってくる言葉はない。口煩い小言もない。ここにあるのは戦いの末につかんだ、平和で満ち足りた世界。けれど彼らのいない世界。
 明るい日差しが窓から差し込んできて、白いシーツとスタンの頬を温める。柔らかな光は指先を舞うように煌めいていて、そっと手を伸ばしたが、光は触れる前にそっと消えた。太陽の光は惜しげもなく地上に降り注ぐけれど、彼と共に見上げた空ほど眩しいものを、スタンは見つけられずにいる。
 ゆっくりと身体を起こした。
 どれだけ彼のいない世界を信じられなくても、世界は確かにここに存在している。彼がいなくて生きていける自分が不思議に思えても、心臓は胸の中でドクドクと脈打ち命を支えている。手の中にあの大きく硬い剣がないことが信じられなくても、炎を纏ったあの剣は世界のどこにも存在していない。
 ディムロスはどこにもいない。けれどスタンは確かにここにいる。
 そっと起き上って窓を押し開くと、冷たい朝の空気を通り抜け、暖かな日差しが肌に降り注ぐ。ピンと張りつめたような冷たさが広がっているのに、柔らかな日差しはそれでも肌を優しく温めてくれる。何ものにも遮られることのない、太陽の暖かな日差し。彼がくれた太陽の、光。
「もう、本当にいないんだ、な」
 自分に言い聞かすように呟いて、瞼を下ろす。
 溢れ出る涙は止まりはしなかったけれど、頬を伝う涙は太陽の光を受けて、やがて誰かの指先のような温もりに変わっていった。

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