運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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白と黒と、それ以外 -Dグレ-

アニメのDグレでやっぱノアっ子好きだと再認識。
という訳でティッキャメというかキャメティキなSS。
我が家のティキは肝心な時に鈍感なので受けがデフォルト仕様です。



 黒には赤がよく似合う。深淵の底を染める闇のような黒さに、人から流れ出た血は暗く染み込み、境界が曖昧になって独特の色合いを生み出す。
 白にも赤がよく似合う。天使の羽のような白さに飛び散る血は、真っ白な世界に鮮やかな穢れを残し、決して混ざり合わない鮮烈な色合いを生み出す。
 今のティキは白と黒のどちらなのだろうか。そう思ってロードは横から顔を覗き込んだが、俯き加減のティキの頬には髪が零れ落ちてきていて、表情を隠してしまっていた。今彼の瞳はどんな色をしていて何を映しているのだろうか。額に刻まれた聖痕が彼がノアであることを示していたが、身にまとう雰囲気は酷く人間臭さを有していた。
 ロードにとって人間を殺すことに罪悪感などない。人間もエクソシストもアクマも、ロードにとってはどうでもいい存在だ。大切なのは伯爵と家族、それだけだ。それ以外のものなどただ欲求を満たすためだけに存在しているだけにすぎない。
 だがティキは微妙に違っていることは知っている。ノアでありながらティキには人間に対する嫌悪やエクソシストに対する憎しみがない。製造されたアクマを嫌い避けているところがある一方で、人間には愛しささえ感じているようだ。もちろん家族であるノアと伯爵は彼にとっても特別であるようだが、同じように人間の家族も大切に思っている節がある。
 ノアでありながら人間を愛しみ、人間を愛しみながら手を下す。
「ティッキ?」
 辺りを染めている血を踏まないように近づきながら声をかけた。今履いている靴はティキと同じデザインで揃えたもの。気に入るデザインで二人共のサイズがあるものなど滅多にないから、これは汚したくないのだ。撒き散らされた血で汚すなど論外。
 ティキが相手を殺す時は傷一つ付けないが、周りでアクマが人間を食い散らかしたために辺り一面血の海だ。そのせいで、ティキの靴は無事だったが頬には血が飛び散っている。元凶であるアクマは先ほどお仕置きを済ませたが、こうやって正面から見ると軽い苛立ちがロードの胸に蘇ってきた。
 ティキに血の色は良く似合う。白い時でも黒い時でも良く似合う。世界を塗り変えていく血の赤も、世界を少しだけ汚す飛沫も、ぞくぞくするほど良く似合う。似合うけれど、それを見つめるのは自分だけにしておきたいと思ってしまう。
 ロードはティキの服の裾をつかんで屈まさせると、手の平で血を拭った。服が汚れることは何とも思わない。
「……あと、誰が残ってたっけ?」
「今日のお仕事はこれで終わりだよ?」
「そっ…か」
 本当はリストにあと一人残っていたことは知っていたが、構わずにそう答えた。ロードの言葉にティキは一瞬意外そうな表情を見せたが、視線が合うと短くそう返しただけだった。
「じゃぁ、帰ってメシでも食うか」
 金色の瞳が優しげに光る。細い指がロードの短い髪に触れる。けれど絶対に肌には触れてこない。頭をなでる仕草をしてくることはあっても、頬や手に触れてくることはない。ロードからティキに触れに行かない限りは。
「今日の晩御飯は目玉焼きハンバーグだってさ?」
「……え? もう三日連続だぜ?」
「ティッキーが味もよく知らないのに別の店の方が美味しそうに見える、って言ったから伯爵が意地になって作ってるんだよ?」
「マジで?」
「うん、マジで」
 本気で怒ってることね、と情けない顔で呟く。
 怒らせるのが嫌なら発言をもう少し考えればいいのに、考えるよりも口に出てしまうからだ毎回こうなるのだ。半分ぐらいは伯爵もティキをからかっているだけだろうけど、助け船を出すつもりはロードにはない。困っているティキを眺めるのは嫌いではない。というより、
「好きだよ」
「――――――――へ?」
 長過ぎるぐらいの沈黙の後に返ってきたのは間抜けな顔。
 にっこりと笑い返して、ロードは屈んだままのティキの頬にもう一度触れた。少しだけ頬が強張るあたりなど、どちらが年上かわからない。平気で女性を口説いてお楽しみすることも珍しくないくせに、ロードの前では何故かこの反応。身体の大きな子供という印象だ。
「ティッキーが困ってる顔、面白くて好きだよ」
 意地悪く笑い声を追加して、ロードは踵を返した。そして背中越しに、ほっとしたような溜息が聞こえてきたことに、もう一度微笑んだ。

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