運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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嫉妬 -師ティキ-

私の拙い師ティキを好きだと言って下さった方に捧ぐ。


鮮やかな髪の色だ。意外に毛質は柔らかくて細く、触るとくすぐったく感じる。間近で見れば、不摂生な生活をしているくせに肌は綺麗だし白い。睫毛は長くてやや上向きにカールしている。指は男の手だが爪は手入れをしていないくせに整っている。そんなことを考えながら視線を這わす。
別に急に外見が変容した訳ではないのだから、以前からそうだったのだろう。だが初めて知った気分だ。いや、初めて意識したというべきか。
「何だ?」
「いや、別に。綺麗だなーとか」
「頭でも打ったか? ――いや、馬鹿は元々か」
「はいはい。どうせ学はないからね」
波打っている赤い髪を鷲づかみにする。炎が燃えているかのように赤い髪。初めて触れた時は熱くないことが逆に不思議な気がしたものだ。身体ごと燃やされそうなほどの興奮と、夜露に濡れて冷たい髪の感触とのアンバランスさ。
「エクソシストって旅ばっかりしてる?」
「あぁ?」
「会ったよ、少年に。可愛いね、あの子」
「何だ。まだくたばってねぇのか」
「元気にしてた。お友達と一緒で。――ってさ、クロス、お前あの少年がどこかでくたばったりしてないって信じてるでしょ」
そう言って瞳を覗きこむ。小馬鹿にしたような色合いが綺麗だ、と思うのは随分とイカレタ思考なのかもしれない。だがそれでも、人間の飛沫を眺める時よりも恍惚感を感じるのは隠しようもない事実だ。この赤を知ってから、人を殺す時の快感がそれほど甘美なものと思えなくなってしまった。
「馬鹿ノアはつまらないことにだけ頭を使うな」
「だけ、は酷いって。クロスのことだから気になる、とか思わないわけ?」
「思うか。俺にはお前を気にすることなんか何一つない」
「気になるのは少年のことだけ?」
「…馬鹿弟子にも興味はない」
「そっか」
じゃぁ、と言ってクロスの喉元に指を絡める。このまま絞め殺したら表情を変えないこの男でも苦悶の表情を浮かべるのだろうか。それとも相変わらず人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべているだけなのだろうか。もしくは爪を立て皮膚を破り血を撒き散らせたら、燃えるような赤い髪よりも赤い血の流れを見ることが出来るのだろうか。
自分はそれを実行に移せない。もし移せたとしてもクロスの表情はきっと変わらない。そんなどうしようもない想像だけは確信が持てた。
「――オレが殺しちゃってもイイ?」
「勝手にしろ」
「……ふーん」
時間にしてコンマ1秒以下の、瞬きすれば見逃してしまいそうなほど小さな変化。僅かに瞼が上がったのを見逃しはしなかった。だが弱点を見つけたとか一本取ったとかそんな感情は一切浮かんでこず、気づかなければ良かったと、自分でも抑えようのない苦い思いを飲み込んだ。

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