運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

別れ道 -ラファジャミ-

たまに書きたくなるとなぜか別れの話だったりします。ラファエルとジャミルには幸せになって欲しいのに、何故かゴールする姿が思い浮かべられない。


そっと優しく添えられた手に、労わりと心配が感じられて、ジャミルは下唇を小さく噛んで瞼を下ろした。自分とは違う道を歩んできて、そしてこれからも違う道を歩んでいくであろう相手だ。それはジャミル自身が望んでいるものであり、動かし難い現実でもある。だがこのままこの手に全てを委ねてしまいたいという思いを、完全に封じることは出来なかった。
「俺の選択肢には、お前と共に歩む未来は、ない」
「……ジャミル」
「それはお前も一緒のはずだ。いや、一緒でないとダメだ。そうだろう? 少なくともお前に、オイゲンシュタットの後継者という座を捨てることは出来ない」
それがどれだけ重いもので、そして果たさねばならないことであるかわかっているからこそ、ラファエルにそれを捨てることは出来ない。それを捨てることが出来ないからこそ、ラファエルだとも言える。
「俺はお前を選べない」
「…………」
「そして俺にはお前を捨てることが出来る」
「――私と共にここに留まって欲しい。それが叶わぬ願いであることはわかっています。貴方にここに留まれというのは、鳥に空を飛ぶなというのと同じであるということは、痛いほどわかっているつもりです」
「鳥……か。まぁそんなに良いもんじゃないけどな」
鳥のように自由に空を飛ぶこともできなければ、格別それを望む訳でもない。ただ一番の望みのためにそれ以外の望みを捨てることが出来なくなっただけだ。守らなければならないものが手の中に幾つかあり、その中に手放すことの出来ないものが存在しているだけだ。
どれだけ大切かじゃなくて、どれだけ手放せないか。その二つの意味の違いに気づいた時に、共に歩むという選択肢は姿を消したのだ。誰のせいでもない。自分自身の決断によって。
「一番欲しいものと、一番手放せないものは違うって気づいた」
「…………」
「手放せないものがあるからお前の手は取れない」
「はい」
「まぁ言い訳だけどな」
「ええ。でも――それで構いません」
優しく落ち着いた声。目を閉じていれば余計に声の響きが神経を貫くようで、ジャミルの決心を鈍らせそうになる。
「俺は、行く」
一歩前に進めばラファエルの手はジャミルから離れた。
「俺にはお前を選べないから」
「はい。それが、ジャミルですから」
「あぁ。そして俺のこんな言い分を受け入れるのもラファエル、お前だからなんだろうな」
「……そうですね。でも、ジャミル、それでも私は――」
一番望むものを手に入れたい。けれど一番捨てられないものが別にある。だから振り向けない。それが自分の願いでも。
「それでも私は、貴方の騎士です。――ずっと」
貪欲な願いの行く末を知っているからこそ、その言葉にも一度も振り返ることなく立ち去った。

| ゲーム関連SS | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。