運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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届かない背中 -CCFF7-

アンジールとザックス…アンザク? <腐りきってるな
序盤ネタバレ含んでますがCMで既出なのでかまわないかなぁとUP。
まぁCPとか特に考えてないですが、取り敢えずCCFF7のSSが書きたかったんです。
ザックス、最高に可愛いよなぁ。



本当に、綺麗だと思ったんだ。
光を背中に従えているようで、眩しいぐらいに綺麗だと思ったんだ。
その顔が悲しみをたたえて微笑んでいたとしても、それすら綺麗だと思ってしまうほどに、目にした瞬間から時間が止まるのを感じたんだ。

突然背後に現れた飲み込まれそうなほどの強い気配に、振り向くと同時に背中の剣を抜き放っていた。訳のわからないこが周りで起きていることに苛立ちがつのっていたの相まって、剣の動きはザックスが考えているよりも乱暴で挑戦的なものになってしまった。
が、十分な敵意を込めて薙ぎ払ったはずの剣先を、視界に黒い髪が映ったのを認めた瞬間にザックスは慌てて押し止めた。無防備に晒されたままの首筋まであと数センチのところで止められた鈍い光を放つ刃。荒い深呼吸を三度繰り返して、相手の顔をたっぷりと十数秒睨むように見てから、ようやく縫い付けられたように動かない唇を開いた。
「アン…ジール」
目の前に突然現れた姿にザックスは目を見張る。
バノーラ村で別れてからまだ3日しかたっていないが、随分と前のことのように思える。それ以前はほとんど毎日顔をあわせて訓練にも付き合ってもらっていたのだから、この空白の時間は随分と味気のないものだった。子供扱いされることには少々反発もするが、ザックスの名前を呼ぶ低い声が聞こえないというのは、それだけで世界を無味乾燥なものに変えてしまうかのようだったのだ。
アンジールの落ち着いた瞳が少し細められ、片手を顎の下にして何かを思案するような表情をしたかと思うと、いつも通りの言い聞かすような声が紡がれた。
「一撃目を繰り出す時少し軸がぶれるな。あれほど直しておけといったのに、お前はまったく成長していないな」
「……誰かさんたちの後始末で、訓練している暇がないんだよ」
誰のせいだよ。そんな思いを滲ませながら言うと、くるりと片手で回しながら剣をしまう。
「まったく、誰のせいだよ」
「良かったじゃないか、ザックス。訓練ばかりだと飽きるのだろう?」
「アンジール!」
「無事なようで良かった」
「何が……良かっただよ」
「お前は大事な所で抜けていることが多いからな。ツメが甘いというか。これでも心配しているのだぞ?」
「一番心配かけてるヤツが言う台詞かよ」
吐き捨てるようにそう言うと、怒っているのだということを表情に張り付かせたままぷいと横を向いた。だが頬に視線は感じるものの慌てた様子はなく、ザックスの態度に対して微かに笑う気配が伝わってきた。
バサリ、と羽ばたく音が間に混じる。視界の隅を白い羽根が掠める。
アンジールの背に片方だけ存在している真っ白な翼。モンスターの証だというが、ザックスにはそうは思えなかった。光のように真っ白でまるで本物の天使のようだ。片方しかない翼で器用に上昇する姿は、いつか絵本で見たことのある両の翼を有している天使よりもどこか神秘的なもののように思えた。
禍々しい存在だとはどうしても思えなかった。
「俺のことよりアンタの方はどうなんだよ」
「…………」
「戻って……くれないのか?」
「ザックス――」
「あぁ! やっぱ言わなくていい! どうせアンタのことだから俺が何を言ったって変えるわけねーもんな」
普段は他人の意見を聞き調整役をすることが多いが、こうと決めた時のアンジールはテコでも意見を変えない。神羅を出て行くと決めたのも、戻ってこないのも、アンジールの意思からの事ならば何を言っても無駄だ。絶対に曲げることはない。
「アンタがどこにいてもいいけどさ」
「…………」
「せめて……無事でいてくれよな」
「私としてはお前の方が心配なのだからな」
「! まぜっかえすなよ!」
笑いを含んだ声に振り返れば、けれど予想と反して真剣な眼差しとぶつかった。
普段いつも瞳に浮かべている微笑はそこにはなく、真っ直ぐとザックスを見つめている蒼さをたたえた真珠のような瞳だった。
「心配するな。私は――大丈夫だ」
「誰がっ! アンタの、心配なんか……」
「そうだな」
もう一度笑い声が聞こえた。と、同時に大きく羽ばたく音も。
「アンジール!」
反射的に手を伸ばしたが、白い翼はザックスの指先にすら触れることなく上昇していった。雪のように舞い散る白い羽根だけが指先を微かに撫でていく。
「――ザックス」
「おい! 何で…何で一緒じゃダメなんだよ、アンジール!」
「どんな時でも、誇りを手放すなよ」
「おい!」
「お前の、誇りをな」
そう言うと急速に上昇し、現れた時と同じように一瞬で視界から消えてしまった。後には白い羽根だけが舞い落ちてきて、先ほどまで見ていた光景が幻ではないということを告げてくれる。
ザックスは舞い散る羽根を一つ掴んだ。真っ白い翼から零れた真っ白な羽根。ザックスの前から飛び去ってしまったアンジールの翼。
「何だよ。いつも、言いたいことだけ言って……」
地上にいる時ですらその背中に負いつけなかったのに、白い翼で空を飛ばれたらまったく手が届かなくなってしまう。いつも遠くに感じていた届かない背中がさらに遠くなって、太陽の光に邪魔されて見つけることすら出来なくなってしまいそうだ。その背に並んで進むことを願って、ザックスはここにいるというのに。
――俺にも、その翼を、くれよ
そうすれば今より少しぐらいは、近づけるかもしれないのに。

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