運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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20万企画 -ヴァン←バル3-

そんな訳で第3話。バル余裕なさ過ぎで乙女過ぎ(笑)。
でもそんな乙女バルが我が家クオリティ(だと言い張る)。



ベイルージュの艦内は意外と広い。広いが、相手を探すとなるとそれほど広過ぎるという訳ではない。端から端まで様子を見ながら歩けば大抵は目当ての顔にぶつかる。しかも相手は声の大きい子供だ。普通なら姿は見えなくても声だけは耳に届く、という状況のはずだ。
が、艦内をぐるりと一周してもヴァンの姿は見つからなかった。艦を降りたはずはないからどこかにいるのは確実なのに、探していない時は視界をうろちょろするくせに、たまに探せば気配すら見つからない。
ヴァンの部屋の前まで来てバルフレアは腕組みをして壁にもたれかかった。
部屋の中にも人の気配はない。おそらくヴァンも移動していて、丁度バルフレアと入れ違いになるような形で動いているのだろう。もう一周歩いてみればきっと見つけられるだろうが、何故俺がそこまでして探さなければならないんだという苛立ちの方が先に浮かび上がる。気まぐれなど起こさなければ良かった。
探さなければ、見つからないという現実にあわずにすんだのに。追いかけなければ、ヴァンの瞳がバルフレア以外のものを見ているのを知らずにすんだのに。気にしなければヴァンがバルフレア以外に話しかけているのを聞かずにすんだのに。
無意識に噛んでしまっていた自分の爪を見下ろす。苛立ちの自覚も原因をわかっているのに対処の仕方がわからない。今までなら目を背け知らないふりをし、関係を断ち切ってしまえばそれで全て済んだ。だが今バルフレアはそれを出来ないでいる。
何に対しての溜息かわからない溜息をついて、バルフレアはヴァンの部屋の扉を開けた。
鍵がかかっているかと思ったが、予想に反してバルフレアを遮るものは何もなかった。キィッと小さな音を立てて扉は薄暗い室内へバルフレアを招き入れる。
部屋の中は案外片付いていた。あの何でも散らかし放題のヴァンが変わったものだ。まさかパンネロに片付けてもらっているわけではないだろうから、一年もたてば子供は確実に成長していくものだ。感慨とも寂しさとも付かないものが浮かぶ。
唯一散らかっているのはテーブルの上だけだった。つい先ほどまで何かを弄っていたような形跡。手に取ってみるとそれはミスリルやアダマンタインの欠片だ。
「……もしかして、クーシーの所にでも行ってるのか?」
シュトラールの修理に必要な材料が足りないとノノが言っていて、ヴァンに探してくれるように頼んでいたのを思い出した。大方の備品や材料はシュトラールにつんでいた予備とベイルージュにあった鉱石でまかなえそうだったが、特殊な鉱石が幾つか足りなかったのだ。下へ行かないと手に入らないかと思っていたが、クーシーなら合成でどうにかできるかもしれないと言っていた。
ヴァンのことだからきっと、早くシュトラールを直せるようにとクーシーのところに相談に行っていると考えるのが妥当だ。
「ったく、そんなことも思いつかなかったとは、な」
いつもと同じでわかり易すぎる行動だ。少し考えればすぐにわかる。なのにこの瞬間までちらりとも頭を過ぎらなかったとは、自分のことながら呆れてしまう。それにシュトラールはバルフレアにとって何よりも大切な「翼」であるのに、そのことが抜け落ちてしまう自分はどうかしている。まったく笑うしかない状況だ。
小さな欠片を手に取った。鈍い鉱物の光が揺れている。
「――――ヴァン」
呟いて、石に残っている温もりを探すようにぎゅっと握り締めた。

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