運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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翼なき者 -ヴァンバル-

FF12オンリーファーラム開催日。私も行きたかったなぁと空を眺めて呟きながら、記念(?)にSSを投下。ちょっと切な目。バルは幸せになるのを怖がってる……と萌える(笑)。


幸せそうな表情を惜しげもなく晒して眠るヴァンの頬にそっと触れる。高い子供の体温は、いつもバルフレアに無条件の温かさを感じさせる。太陽の下に広げられた毛布のような柔らかい温かさ。
気だるさの残る身体を引きずるように起こす。後始末をせずにそのまま眠ってしまった下半身が重い。出来ればこのまま眠っていたい。心地良い体温に抱かれて溶けてしまいたい。だが、自分にはその選択肢を選ぶことが出来ない。
伸ばした手に、何の意味があるのか。
近づける指に、何の意味があるのか。
そんなお決まりの疑問に対する答えは既に自分の中にある。目を逸らすことができないほど大きく存在していることを認めている。それでも言い訳のように繰り返す。この刹那の時を刻む交わりに真っ当な意味など欠片ほどもないのだと。何度も何度も繰り返す。
「お前は何も変わらないな、ヴァン」
空賊に憧れる子供。バルフレアを追いかける太陽の髪と空色の瞳を持つ子供。向けられる眼差しには一切の曇りがない。飛ぶことを知らない未熟な子供でありながら、バルフレアにはない強さを持っている。
羨ましいなどとは言わない。羨む気持ちを持つほども強くなれず、ただ眩しいと感じるだけだ。眩し過ぎて目を逸らすことができず、そのくせ意を決して抱き締めることも出来ない。
「翼があるのはお前の方だ。俺は――もう自分の力だけでは飛ぶことなんて出来やしない。お前が憧れている『バルフレア』はどこにもいない。それにお前は既に自分で……飛ぶことを覚えた」
会わなかった一年が少年を子供から大人に変えた。危なっかしさは残しつつも、一年ぶりにの瞳には強い意志が存在していた。自分の艇で飛び仲間を率いて、力強く立っていた。
だがそれは、成長した喜びよりも離れて行ってしまう不安を植えつけた。太陽を背に飛翔する姿を思い起こさせた。だから、もう――
「もう、潮時だ」
届かない誰かを見上げながら進めるほど強くはなれない。届くかもしれないという期待を抱えられるほどこの手は力強くない。
怖れてただ逃げ続けてしまう自分を許さなくて良い。出来れば忘れて欲しいとだけ願う。そう心の中で呟いて、身体に残る温もりを振り払うようにしてベッドを離れた。

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