運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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愛しき -ティキティキ-

うっかり萌えちゃったから取り敢えず書いてみた。
Dグレでティキティキ。通称白黒。ノアの能力が消えた後のティキ設定。



静かだなと思った。
そう思うこと事態が一体どれくらいぶりだろうとぼんやりと考えた。
目の前にあるのは薄暗い空間だけで、動いているのは咥えた煙草から立ち上る白い煙だけだ。それもゆらゆらと上昇しながらやがて闇の中にぼんやりと消えていく。
「――アチッ」
限界まで燃えていた煙草の灰が折れて、胸元にまだ熱い灰の塊が落ちてきた。ジリッと熱さが肌を焼く感触があり、火傷の跡は残るのだろうかと、回転の遅いままの頭で考える。
昔は灰など気にした事がなかった。面倒なものは全て透過してやり過ごしてしまえば何も問題なかった。肌を焦がす炎も、身を裂く刃も、束縛する鎖も、何もティキに届かなかった。イノセンス以外でティキに触れられるものなど何もなかった。
何も考えずじっとしていても、ずっと守られていた。傷つけるもの全てを拒絶する力が、何よりも優しくティキを包んで守ってくれていた。何も心配する必要もなく、何も注意する必要もなく、何も怯える必要もなく、ただ自分が望むようにしていることが許された。
だが、今はもうティキを守る力はない。
ノアの力は全て奪われ葬られてしまった。
いずれ自分よりも強い存在が現れれば死ぬのだろうと思っていた。好き勝手やってきて数え切れないほどの命を奪ってきた。因果応報などと殊勝な考えはないが、それでもいつか誰かがノアの力とともに自分を葬り去るのだろうと漠然と考えていた。ノアと共に消える。それが世界の終わりだろうと思っていた。
だが、力の消失と同時に自分も消えるというささやかな願いは叶えられなかった。少年のエクソシストの力は、ノアだけをティキから奪い去っていった。ずっと一緒だと当たり前のように思っていた、もう一人の自分だけを奪い、壊し、消し去ってしまった。ティキ自身の命は奪わずに。
「オレ、お前がいないとやっぱりダメみたいだわ。なぁ、もう一人の「オレ」よ」
答える声などない。そんなことはわかっている。
だが静寂しか存在しない空間は痛く苦しい。いつでも意識せずに傍らにあった存在がなくなった喪失感は、自分の存在を支えきれなくなるほど大きい。何故自分がここにいるのか、ここにいて何の意味があるのか。何も見つけられない。
「オレも連れて行けよな」
だが何よりも恐いのは、全てが薄くなっていっていること。
あれほど痛かった心臓も、息の詰まるほどの呼吸困難も、身体がなくなるような喪失感も、確かにここにあるのにリアリティがなくなっていっている。痛いけど何処が痛いのかわからない。苦しいけど何が苦しいのかわからない。喪失感も何を失ったのか曖昧になってくる。
「いなくなるなら、オレを殺していってくれれば――良かったのに」
頬を流れる冷たさに嗚咽が喉を突いて出てきた。
それは失ってから初めて出た自分の感情だった。

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