運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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酔いの中 -小十政-

書きかけのまま忘れていたSS発見。
着地点が何処だったのか少しも思い出せないまま放置します。



戦いの後で自分の手が酷く汚らわしく感じるのはいつものことだ。六爪の刀はどれも例外なく血と人の脂とに塗れて、それを持つ自分の手も同じく血と脂に塗れている。纏わり付く脂は恨み言を唱えているようで、離さない許さないと囁きかけてくる。
身体を支配する重い疲労感に溜息を付く。
血に塗れた刀も、返り血を十分に吸い込んだ戦装束も、自身に染み付くようにかかった血糊も重い。このまま地の底へと引きずられていくように重い。死んだ人間の怨念が存在するというのなら、自分は間違いなくその怨念に取り殺されるだろうと思う。
「――shit. 馬鹿馬鹿しいぜ」
どれくらいの時間か、自分の身に何かが起こらないかと期待しながら血と夕焼けとで赤く染まった戦場を見つめていたが何も起こりはしない。誰も政宗を地の底に引きずり込まなければ、誰も政宗を殺しになど来ない。誰も生きて政宗と対峙したりしない。
皆殺した。歯向かう者も逃げ惑う者も、戦場にいて政宗の前に現れた者は全て殺した。だから誰もいるはずなどないのだ。
ガサリ。背後で草が揺れ、振り向きざま剣を突きつけた。
「……お前か、小十郎」
交差させた六爪の刀は小十郎の喉元を掻き切る寸前で止まっていた。後ほんの僅かでも勢いがあったら小十郎の首は切り落とされていたかもしれない。だが瞬き一つせず、小十郎は平然とした表情のまま政宗を見ていた。
「――残党の掃討はほぼ片付きました。夜明けを待ってもう一度山狩りを行いますが、主だった武将は全て討ち死にした模様ですので、組織だった抵抗はもうないと思われます」
「…………」
「いかがなさいますか。本陣まで撤退しますか」
「そう、だな。……頭を失って逃げるヤツらに用はねぇ。全部隊撤収させろ」
「かしこまりました」
「……小十郎」
一礼して立ち去ろうとする小十郎を呼び止める。
「少しぐらいは、避けろ」
「政宗様を信じておりますれば」
「最近は特に血に…酔っちまう。自信は、ねぇ」
「大丈夫でございます」
呆れるぐらい疑いを含まない声で、真っ直ぐと見つめ返してきてそう断言する。
「何で言い切れる」
「小十郎めが、おりますれば」
「……はん。下らねぇ」
予想通りの答え。いつも通りの答え。そのくせ望んでいる答え。
馬鹿馬鹿しいと思いつつ刀が軽くなるのがわかる。自分はいつからこんな単純な人間になったのか。いつからこんなにたった一人の言葉を求めるようになったのか。
「――つまらねぇ戦だったが勝ち戦は勝ち戦だ。戻ったら盛大に宴だ」
「手配は既に」
「いいねぇ」
真っ赤な夕日。真っ赤な大地。真っ赤に染まった自分自身。
どうせ酔うのなら骨の髄まで酔ってしまえば良い。

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