運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

偽りの瞳4 -ヴァンバル-

オンライン本格復活しそうなH様に捧ぐシリーズ第四弾(笑)。
この進まないっぷりは自分で自分に拍手を送りたい。が、意外にこのヴァンバルは書いてて楽しい。いきそうでいかないのが良いよね。コト寸前がeroいのよね!とマニアっぽく言ってみたり。



「バルフレア」
聞き慣れた名前が耳をくすぐる。
その名前は帝都を出て自分の過去を葬る為に名乗ったものだ。消し去りたいものを覆い隠す為に被った偽りの仮面。その名が示すものは自分が背を向けた過去の片鱗と、逃げ出すことしか出来なかった自分の心。偽りで構成された苦い名前。
それなのに心臓が跳ねる。まるで初心な少女のように、鼓膜を揺らす自分の偽りの名前だけで鼓動が乱れる。肺の空気が足りなくなる。必死に呼吸をしても酸素は十分に身体に回らずに、息切れするような苦しさが込み上げてくる。
足りない。酸素が。逃げ場が。
「バルフレアも、熱くて、たまらない?」
誘うように煽るように囁かれる言葉。
熱いのか、苦しいのか、心地良いのか、痛いのか、求めているのか、逃げようとしているのか。思考も感覚もぐるぐると自分の中で空回りを続けて、何が現実で本当のことなのかわからなくなる。地につけている足の感触さえ危うい。じっとりと汗ばんでくる背中にシャツが張り付いているのが気持ち悪い。ヴァンから伝わってくる熱で平衡感覚が狂わされ、視界は歪められ、理性の枠組みが溶かされていく。
熱いさ。熱くてたまらない。
ヴァンから伝わってくる熱も、ヴァンに熱せられた自分も、自分の奥から沸き起こってくる熱も。何もかもを溶かしてしまうほど熱くてたまらない。全てを焼き尽くしてしまうほど熱くてたまらない。最後に一つだけ握っている矜持の糸を早く手放したいと、懇願が口から漏れそうになるほど熱い。
「無言は肯定だって思っていい?」
もう熱くてたまらない。この熱を治められるのはお前の熱だけだ。焼けるような熱を叩きつけてくれ。全てを溶かす熱をこの身に注ぎ込んでくれ。その強引さで言い訳を叩き崩し、その純粋さで矜持を打ち砕いてくれ。逆らえないぐらいに。逃げられないように。醜く懇願するしか出来ないように。
「――煩い」
漏れ出てしまいそうな欲に塗れた思考。
追い出そうとしても喚き立てる思考が煩い。
確認しないでくれ。それに応じられるほどこの身は自由じゃない。例えイエスと囁く声が自分の中を満たしていても、音にすることなどできない。情けないぐらいに疼く自分の中心が、理屈などいらないからもっと高い熱をと求めていても言葉になど出来ない。
「俺、本気だから」
そんなこと昔からわかってる。
本気でなければ良いとどれだけ願ったかわからない。その本気を心地良く思っている自分をどれだけ否定したかわからない。向けられてくる思いが消えたらと思うと、どれだけ不安になったかわからない。
近づいてくる空を、どうして拒めるだろうか。求めてる。本当はその空に覆いつくされて飲み込まれることを求めてる。きっと最初から、気づかないふりをしながら、それでも求めていた。
手首を掴む手。
頬に当たる吐息。
空気さえ痺れさす体温。
虜にする瞳。
侵入してくる声。
不器用に荒々しく、絡め取り奪いに来る唇。

お前の本気に塗りつぶされてしまったら、俺はどうやって俺を保てば良い。

| FF12 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。