運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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偽りの瞳 -ヴァンバル-

この手は捕まえるための手。
もう二度と届かず宙を掴むのは嫌だ。触れたはずなのに捕まえられないのは嫌だ。掴んだはずなのにこの手を振り払われるのは嫌だ。この手を伸ばす先が見つからないのは、もう嫌だ。
だから強く。掴んだら離さない。
この手が貴方を傷つけることになっても、絶対に離さない。
「――離せ」
「嫌だ」
「…………」
「絶対に、離さない」
睨みつけてくるヘーゼルグリーンの強さは心臓を絡め取るようで、一気に呼吸が苦しくなる。それでも掴んだ手を離すつもりは無い。いつだって逃げるばかりで、最速の名を振りかざしてすり抜けていく温もりは、例え息の根が止められても手放したりはしない。
心臓がドクリと。
自分の音とバルフレアの音と。重なる。
「本当は離して欲しくなんか、ないくせに」
「馬鹿を言うな。おまえのお遊びに付き合ってられるか」
「俺の背中に額を当てて眠るのも、お遊びって?」
「――――。そうだ」
「嘘つき」
口の端にくっきりと、揶揄の表情を浮かべたって許してやるつもりなんて無い。そんな表情をすれば俺に本心を隠せるなんてまだそんな甘いことを考えているなんて許さない。本当は自分の心の奥底まで覗いて欲しくて、全ての扉を無遠慮に開け放して欲しがってるくせに、触れるなと嘘をつくなんて許さない。
思い込みでも大げさでもなくて、俺には全部わかってる。
俺は馬鹿だし世の中の理も常識も知らないことばかりだけど、それでも理屈じゃなくてはっきりとわかることもある。どれだけ巧妙に蓋をして鍵をかけたって、俺の目には全て透明な扉と壁だから、言い訳も何も通用しない。
見えてるから。わかってるから。バルフレアのこと、全て。
隠すなんて、無意味。
「はん。おまえに何がわかるって――」
「――わかるよ」
「…………」
「全部、わかるよ。知られたくないことも、全部」
「大した自信だな」
「自信じゃないよ。ただ事実なんだ」
「…………」
「バルフレアはいつだって、俺に奪われるのを待ってる」
「――馬鹿馬鹿しい」
視線が左上に向かい、すぐに右上に彷徨う。左上を見るのは過去を思い出している証。右上を見るのは経験したことのない映像を浮かべようとしている――言い訳を考えている証。
それはバルフレア自身が教えてくれたこと。昔ヴァンが飛空艇のネジを一つ締め忘れたことを問い詰めた時に、笑いながら教えてくれたこと。普段のバルフレアはヴァンに視線の彷徨いを見せることはないけれど、今はそれを取り繕う余裕すらないらしい。
つまりは、ヴァンの言葉を肯定している。
「だから俺は離さない」
「……離せ」
「バルフレアの言葉には従わない――」
「…………」
「バルフレアが本当は何を言いたいか、知ってるから」
手首から伝わってくる脈が強くなる。そのまま血管を破って飛び出してくるのではないかと思うほど強く脈打つ。そして触れ合う皮膚と皮膚の温度が上昇する。理性を焼き切るように。


問答無用で続く。が、次回は問答無用で未定。

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