運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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範囲外 -ヴァンバル-

無言でもこちらを見ていなくても別のことに集中していても好きだ。
黙って作業しているから声も聞けなくて、集中していて振り向かないから斜め後ろからしか顔が見えなくても、好きだ。
机の上に細かに書き込まれた図面を広げて、難しい計算式で埋まっている紙を並べて、じっと睨みつけていたかと思うと流れるように筆を走らせる。ヘイゼルグリーンの瞳は図面を追い、指は線をなぞり、筆はいくつもの線を書き加えていく。じっと図面に向かい合ったまま、休憩もしなければ周りに視線一つ寄越さない。作業開始直後はヴァンに騒ぐなと怒鳴りつける口も、半時もたてば隣で話しかけても文句一つ言わない。もちろん、一言も答えてもくれない訳だが。
バルフレアが没頭してしまうとヴァンは何もすることがない。
自分も飛空艇の勉強をすればいいのだろうが、基礎知識もない身ではバルフレアの所持している本や資料は難し過ぎて全く頭に入らない。せいぜい枕替わりになるのがオチだ。だからと言って時間潰しに外へ、というのもバルフレアと一緒でなければ楽しさが半減だ。
だから一番有意義なこと――ヴァンにとっては、だが――バルフレアを間近で堪能する、という行動を取ることになるのだ。問題点は見ているだけではなかなか我慢が辛いというところなのだが。
「――ヴァン」
「え?」
普段は一言も漏らさないバルフレアが姿勢を全く変えずに名を口にした。慌てて身体を起こしてまじまじと見つめるがバルフレアは先ほどと全く変わらぬ様子で、淡々と言葉を続ける。
「――それ以上こっちに来るなよ」
「ど……どうしてっ」
何か気に触るようなことをしただろうか。あまりに見過ぎてて作業効率が落ちるのか。先ほどから頭の中で回っていた妄想を口に出してしまっていたのか。
思い当たる節は残念ながらある。
「おい、だから――」
「あっ……」
コツンと何かが肘に当たる感触。しまったと思って手を伸ばそうとしたが間に合うはずもなく、目の前で床に落ちるグラス。続け様に響く硝子の砕ける、妙に高く澄んだ音。
「…………」
「…………」
無言が痛い。
ついでに弾けとんだ水が顔を濡らして冷たい。
「はぁ――だから、こっち来るなって言っただろうが」
「へ?」
「グラスはテーブルの真ん中に置いておけ。割れた破片は自分で片付けろよ」
「…………」
「ほら、何ぼけーっとしてる。さっさとしろ」
言いたいことを言ってしまうと、いつものような皮肉な表情を瞳に浮かべ、そして図面へと視線を戻す。まるで何事もなかったみたいに先ほどと同じ光景に戻る。

何で俺の位置とグラスの位置と、バルフレアに見えていたんだろう。
疑問がようやく頭に浮かんだのは、破片を片付けて新しいグラスに水を注いで持ってきてからのことだった。もちろん、バルフレアは一度も顔を上げなかった。


見てないフリをしてヴァンのこと何かと見ているバルフレア。
バルの素っ気無い態度の裏側の本心に気づいた瞬間に、ヴァンバルの力関係って一変しそう(笑)。

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