運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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中途半端2 -ヴァンバル-

見上げる、格好になる。並んで立って顔を見ようと思うと、どうしても視線はやや上、見上げる方向になってしまう。それが悔しくて歯噛みしても、バルフレアには子のもどかしさなど伝わらないに違いない。
手を伸ばして、捉まえて、引き寄せて、押し倒して、覆い被さって。
夜の闇の中では自分の思いのままに動けるのに、眩しく美しい青空に見られていてはこの身体は石になったように動かない。澄んだ青を見上げる澄んだ翠の瞳はまるで魔除けのエメラルドみたいで、欲望があふれ出すのを冷たく制止する。
「いいか、ジェットエンジンは高速向けだが燃費が悪過ぎる。だから現在の主流は一部ファンだけを通過させた空気と混ぜ合わせるターボファンエンジンだ。ちなみに、超高速飛行だけならラムジェットエンジンの方が向いているが、こいつは通常飛行時の性能が悪い上に推力を得る為の別推進系が必要になるから論外だ」
シュトラールの機体に手を触れながら話すバルフレアは、いつもの余裕のある大人びた表情と全く違っている。面倒だとつい数分前まで渋い顔をしていた人物と同じとは思えないほどだ。
飛空艇が好きなのだなと実感する。ヴァンとて空賊を志す身だから飛空艇や機械には興味があるが、バルフレアほど純粋に「飛空艇」を好きな訳ではないかもしれない。本人はただの逃げ出す為の足だと自嘲気味に言うが、もしそれだけだったらこれほど楽しそうな表情はしないと思う。
「――こいつはバイパス比1.3の低バイパス比ターボファンエンジン。確かに単純にエンジンの性能だけなら最新戦闘艦の比率1以下のやつに比べれば超高速飛行は不利かもしれない。が、こいつにはアフターバーナーを燃料室後方に設置してある。それを使えば燃費は悪くなるが瞬間的な速度はこっちが上だ。まぁ使用時に機体の安定性が悪くなるタイミングがあるから注意が必要だがな」
鈍い輝きを放つ機体を見つめる瞳。
それを駆って飛ぶ空を見つめる瞳。
どちらも驚くほど純粋な光を宿していて、普段の言動とは180度違った様子を見せる。もしこういう言い方が許されるのなら、子供が最初に飛ぶことに憧れた瞬間、それをずっと持続しているかのような輝きだった。
きっと堕ちたのはこの瞳を知った瞬間。
初めてシュトラールをヴァンに見せたあの瞬間の、宝物を自慢するような掛け値なしの瞳に魅入られた。高い場所から人を見下ろしているだけだと思った瞳が、遥か上空を澄んだ瞳で見上げている。遠く手の届かぬ場所を、輝きを失わない瞳で見ている。
子供のように純粋で美しいと思った。
手が届かないほど大人だと思っていたのに、自分と同じ子供だと感じた。でも同時に、バルフレアのそれはヴァンの形にならない憧れとは違っているとも感じた。バルフレアは自分が手に入れたいものに手を伸ばし、見たいものを見ている。だがヴァンはバルフレアが目指すものを欲しいと思い、バルフレアが見ているものを近くで見たいと思う。
思いの違いに、ヴァン自身も気づいている。だから近くて遠い。比喩でも何でもなく、物理的な距離はあまりにも近いのに、心の立ち位置は見えないほど遠い。
それなのに手を伸ばしてそれに触れて良いのだろうか。
この距離に甘えて離れている距離を無視していいいのだろうか。
悩むのは自分の手がバルフレアを捕まえようとしているからで、そしてそれを自分が抑えられそうにないという、自分には珍しい客観的な見解からだ。
言葉は既に空気と化していて鼓膜を揺らすこともしていない。


またもや中途半端なところでぶった切り。この前の書きかけSSとリンクしてるんですが、ね。飛空艇語らせたらバルフレアは妙にオタクっぽいとか思ってる。一応タイトルは「A Wing And A Prayer」。続きあるけど完全未定。こんなのばっかり書いてるなぁ(汗)。
ちなみにシュトラールの動力はグロセア機関でグロセアエンジンじゃねーのって突っ込みはなしでお願いします。要は推力を得る為の燃焼方法の説明で、動力源にミストが混じるだけで通常エンジンと同じ構造だろう、を前提に書いてますので。
機械オタじゃないよ?

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