運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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あのメロディー -バシュバル-

耳に残って忘れられないメロディー。
タイトルも歌詞もわからないのに何故かメロディーだけは覚えている。
けれど記憶は曖昧でサビの部分しか浮かんでこない。サビ、と言っても本当にそれがサビかどうかもわからない。ただ妙に抑揚が強いのできっとサビだろうと思っているだけだ。
その曲を何度も何度も繰り返してみる。が、どうしてもその続きが思い出せない。昔から知っている曲なのか最近聞いた曲なのか。その部分は鮮明なのに続きとなるとプッツリと途切れて雰囲気ですら浮かんでこないのだ。まるでその先などないというように。
何処で覚えたのだろう。誰から聞いたのだろう。そしてこの続きはどのように奏でられていたのだろう。癖になるぐらい繰り返してもメロディーはまた最初に戻ってくる。
「――それ、止めろよ」
「……ん? 何か言ったかね、バルフレア」
「止めろって言ったんだよ」
「何を?」
「その鼻歌。同じメロディーばっかり何度も繰り返すな。壊れたレコードを耳元で聞かされてるみたいで苛々するし、頭の中に刷り込まれて夢にまで見そうだ」
本から視線を上げたバルフレアは珍しく一目でわかるほど不機嫌さをたたえていた。眼鏡の向こうのヘイゼルグリーンの瞳が、驚くほど剣呑な光を放っている。
だがバッシュには何故バルフレアがそれほど不機嫌になっているのかがわからない。下手は鼻歌を聞かされ続けたから、という以外の何かが引っ掛かっているのだろうと言うことだけは推測できるのだが。
「キミは、知っているのかね?」
「何を、だ?」
「この曲を」
「……知らないな」
「知ってそうな口ぶりだ」
「…………で?」
本を閉じてバルフレアが顔を上げた。
邪魔をして悪かったという気持ちもあるが、実はバルフレアが本を読んではいないことに気づいていた。十分以上も同じページを開けたままだったし、視線がほとんど動いていなかったのだ。
「もし俺が知ってたら、何なんだよ、将軍様?」
「続きを知っているのなら教えて欲しいと思っただけだよ」
「何でそんなこと知りたがる」
「別に…先ほどからそのフレーズが回っていてね」
「……何処で覚えたんだ、そんな曲」
「あまり記憶にないのだ。最近聞いたのだと思うが――誰かが口ずさんでいるのでも聞いたのかもしれないが」
「ふーん」
バッシュの言葉にバツが悪そうにバルフレアは視線を外した。自分の言動が普段らしくないと思っているのだろう。確かに最近のバルフレアは妙に神経がささくれ立っている時が多い。フォーン海岸を過ぎた頃から特に。
下りる沈黙。外の音も聞こえてこない。先ほどまで喧しかったはずの、隣部屋の話し声もしない。静寂が悲鳴のようにも感じられる。
すまない、そう謝り話題を打ち切ろうとした寸前に、
「『その先に光がある 信じなさい 信じなさい』だ」
俯いたままのバルフレアが小さく呟いた。
「え?」
「アンタが歌ってたメロディーの歌詞だ」
「…………」
「後は聞くなよ。俺も……覚えちゃいない」

帝都でよく知られた童歌だと知ったのは、全てが終わってからだった。


ありがちなネタですが。
バシュバルだけど雰囲気はシド←バルを目指してみたり。バルはシドを憎みたいけど時間がたつほどに思い出は綺麗になり過ぎて、憎めなくなってたら良いと思います。理性ではシドを止めようと思いながら、感情はシドの行動を肯定してたりとか。

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