運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

ディフェンスライン -アレティキ-

煙草の煙を燻らせて空気を白く染める。
鼻をつく強めの匂いと辺りに充満する煙。煙を吐き出している当人はソファの上にだらしなく身体をもたれ掛からせて足を組み、何事にも興味はないとばかりの眼差しを宙に向けている。形の良い唇は煙草を咥え煙を吐き出す以外の行動を拒んでいるようで、さっきから一言も言葉を発しない。
まるでアレンに興味などないという態度。いてもいなくても関係なくて、存在すら意識の中に入っていないとでも言っているかのようだ。

いつもそういう態度だ、とアレンは可笑しくなる。
意識していない態度を取りながらも、それが何よりもアレンを意識しての行動だとティキ自身は気づいていないのだろうか。アレンが近づくと一度だけ足を組み替えることも、視線が上に逃げることも、まるで防壁のように煙草の煙が増えることも、気づいていないのだろうか。
もしそうならとても可愛いと思う。
アレンより十年も長く生きていて、普段から余裕のある態度を崩さないのだけれども、一度気づいてしまえばその行動はとても素直なものだ。本当に気になる相手には自分からは手を出さず、触れるか触れないかの距離でじっと様子を窺う。危険はないか、相手はどう考えているのか、自分の行動におかしなところはないか。そんなことを必死に考えて、けれど表情だけはいつものままをたもって。
普通の人間以上に臆病だと、そう言えば怒るだろうか。

「――ティキ」
「…………」

呼びかければ体勢を変えずに金の瞳だけがアレンの方に向けられた。
視界を覆うようにまた、煙が吐き出される。
この煙はティキの防壁だ。真っ直ぐとぶつかり合う視線を避けるように、目の前の空気の白さを強くして、自分への衝撃を和らげようとしているのだ。そんなもので何も防げはしないのに、それが唯一の抵抗手段だとでも言うように煙を吐き出していく。本当に嫌ならばここから立ち去れば良いのに、受け入れる素振りは見せないけれど立ち去る気配も見せはしない。
守りながら壁が破られるのを待っている。
拒絶しながら触れられるのを待っている。

選択する権利をじっと伏せたまま、何が与えられるのかと待っている。アレンが近づくのを、防壁を超えてくるのを、捕えられるのを、息を潜めて待っている。全てを拒絶しながら、全てを許容しながら。

「ティキ」
「…………」
「貴方に触れても良いですか?」

返事を待たずに近づき座ったままのティキの姿を見下ろす。
金の瞳は闇の中で相手の様子を窺う猫のような光を宿していて、暗闇の雲の隙間からただ一条の光を零す月の雫の様だ。それとも向けられてくる視線の冷たい仮面は、蜂蜜黄色の輝きはクリソべリル・キャッツアイを思わせるといった方が似合うかもしれない。

そっと右手を頬へと伸ばす。イノセンスでもある左手ではなく、ティキが彼の意思で拒絶することの出来る右手を、十分な決断を下す時間を与えるようにゆっくりと近づけていく。
ティキは動かない。
アレンは止めない。
右手は冷たい頬に触れた。
触れた瞬間に少しだけ強張るような反応が伝わってきたが、表情は何一つ変わってなかった。眼差しの無機質さも綺麗さも何一つ変わらなかった。狭間で煙草の煙だけが時間の流れを示すようにたゆたっている。

「僕の右手が、貴方に触れていますね」
「…………それで?」
「嬉しいです」
「……面倒なだけだ」
「そういうことでも構いません」
「…………」

視線は逸らされない。
触れている手も通り抜けはしない。

「僕は本当は右手でこうやって触れるのが好きなんですよ。左手でも感覚はありますが、やはりこちらの方が良くわかる」
「……そりゃー良かったな」
「ええ。でも時折、堪らなくこの左で貴方に触れたくなる。僕から逃げられないようにしっかりと貴方を捕まえる為に。――困ったものです」
「…………」
「ティキ、貴方は僕を拒絶しますか?」
「――さぁね」

ティキはアレンの右手をそっと押しやり、組んでいた足を流れるような動作で下ろした。そして軽く開いた両足の上に腕を下ろして前かがみになり、上目遣いで見上げてくる。
黒髪の隙間から金色の光だけが漏れている。

「確かめてみるかい、少年?」

顔を上げて唇の端に笑いを浮かべるといつものように人を喰ったような表情を作り、怖れを隠すように挑発的な誘いを投げかけてきた。金の瞳も、闇のような髪も、赤い唇も、何もかもが魅惑的な表情を見せている。

まだ夜は長い。
駆け引きの時間は十分に残っている。


微エロ目指したアレティキ。
「触るものを選択できる」=「触れられるのは捕まえて欲しいから」と変換すると最高にエロイと思う。本当にティキは存在もエロいし力もエロイな!ティキは受けが似合い過ぎるよ!
――触れてくる手を避けず、ただ静かに誘う。

| Dグレ | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。