運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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幸せを選んで -アレティキ&ロード-

D灰アレティキアレ前提でロードとティキ。
この二人、年齢は兄と妹だけど絶対に精神年齢は逆だと思う。
大人の余裕を見せてるつもりで皆に心配されまくりのティキ・ミック卿ラブ。


漆黒の闇の中、風を切るように舞い飛ぶ黒いアゲハチョウ。月すら飲み込む闇より深い黒でありながら、夜の中で光り輝くようでもある。闇から生まれ闇を生み出す蝶は無軌道に飛び回りながら、やがて一箇所へと帰っていく。

「ティ?ッキ?」

無数の蝶が舞い飛ぶ中心にいる人影に声を掛ければ、長身の男は緩慢な動作でロードの方を振り返った。ここには二人で来たのだからロードの存在に気づいていなかったという訳ではあるまい。だがティキはロードの姿を瞳の中に納めてから数秒そのままで、ようやく「そっちも終わったの?」と聞き返してきた。
何処となく心ここにあらず、だ。

「こっちは超ヘボで拍子抜けだよ?。これだったら留守番の方がマシだったかもね」
「あぁ。――名前が一つ消えてる、な」
「僕にかかれば簡単簡単。ティッキーの方がヘマしそう」
「最近忙しいから……かなぁ」

白と黒の格子模様のカードを覗き込みながらティキは返事をする。あのカードには千年公から「お願い」された仕事相手の名前が書かれていて、終了すれば一つずつ消えていくのだ。全ての名前を消し終わるまでティキは元の生活に戻らずにロードたちと共に行動する。それがいつものパターンだ。
あのカードにアレン・ウォーカーの名前も書かれていることをロードは知っている。そしてその名前が未だ消えていないことも、そのことでティキが安心していることも、知っている。例えティキ自身が気づいていなかったとしても。
ティキは色々周りのことを気にする割には感情に対して鈍い。相手から向けられる感情も、自分自身の抱いている感情も、理屈で割り切れるもの以外には驚くほど鈍感だ。あるいはそれは、期待し過ぎないようにという自己防衛の為せるゆえかもしれないが。

「取り逃しちゃったの?」
「そんなヘマは何回もしません。さっさと殺りました。今度はちゃんと名前も消えてます」
「アレン君はまだ生きてるもんねぇ?」

ティキの前に回りこんで顔を見上げる。
相変わらず似合わない笑みを浮かべて世界の全てに退屈し切ったような表情をしている。ロードと目が合うと「大丈夫」と少しだけ困ったような感じで優しく笑うのは、家族に心配をかけたくないという気持ちからなのだろう。ついさっき人の命を奪って歓喜を表していたのと同一人物だとは思えない。もっとも、それはロードも同じなのだが。

「アレン君に会いたい?」
「少年に?」
「そう。僕は会いたいけどね。アレン君のこと、好きだし」
「俺は――。そうだな、俺も会いたい、かな」
「じゃぁ招待しないとね。取って置きの場所に」

ティッキーもアレン君のこと好き?と聞いたが、直接質問には答えず、少し首を左に傾けながら肯定とも否定とも取れる表情を浮かべた。
きっとまだわかっていない。独占欲とか、支配欲とか、壊したいとか、壊されたいとか、終わりたいとか。色々な欲望の正体が何なのかはっきりとまだわかってないのだ。正体がわからないから拒絶することも選択することもできないでいるのだ。

「僕さぁ――」
「ん?」

きっとこんなことを言ってもわからないだろう。本当は何でも選択して手に入れることが出来るのに、何かを拒絶することしか出来ないティキにはロードの言葉はわからないだろう。
そう思いながらも口にした。だって大切な家族だから。手間がかかるし馬鹿だけど大切な家族だから。

「ティッキーになら、アレン君を取られてもいいよ」

意味をはかりかねて不思議そうな表情をするティキに、ロードは早速準備に取り掛かろうと言葉を続けて先に歩き出した。幸せの定義なんて知らないけど、それでも幸せを手に入れて欲しいと願いながら。

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