運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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秘宝の輝き -ヴァンバル-

FF12はレヴァナントウィングからヴァンバルのSS。
時系列は序章。なので隠さないでそのままUPしちゃいます。未プレイで序章でも知りたくないーって方は急いで回れ右!まぁネタバレにもならない程度ですが。



砂埃に塗れた石畳の上を歩く。乾いた靴音が遺跡内に響いて反響する。やや遅れて、バルフレアのものよりも小さく軽い足音が響いた。
「どうやらここらしいな」
「そのようね」
腕を組んだまま顎で祭壇を示しながら呟いたバルフレアに、フランは誰も踏み入れることのない地下水を思わすほど澄み切った赤い瞳を向けて頷いた。
驚くほど高い天井のに囲まれた室内のその先には、細かなレリーフを刻み込まれた祭壇があった。室内とはいえ長い年月に晒されていた装飾は所々崩れて鮮やかさは失っているものの、その見事さは些かも損なわれていなかった。
目の前に無防備に存在している秘宝。
この宝をここに安置した者はきっと本気でこの宝を隠したかった訳ではないのだろう。複雑な仕掛けや擬態は施されていたが、侵入者に対して害を及ぼすようなものはなかった。存在を知りえたものならば、時間をかければ確実にたどり着けるように作られている。まるで誰かを導くように。
「さて、俺たちは認められた客か。それとも招かれざる客か」
「…………ご到着のようよ」
「うん?」
視線の動きに合わせて身体ごと振り向くと、入り口の向こう側に淡い金の光が揺れるのが見えてバルフレアは目を細めた。色合いは月の光のように淡いのに、放つ光は太陽よりも眩しい。以前の旅の途中もずっとあの光が自分の足元を照らしていたから間違えずに歩けたのだ。決して本人には悟らせたりはしないけれども。
バルフレアの姿を見つけてヴァンが走ってきて祭壇の間に足を踏み入れる。その時にはバルフレアのヘイゼルグリーンの瞳は薄っすらと笑みをたたえ、口元は皮肉な笑みを浮かべていた。その表情の変化に隣でフランが小さく笑ったが、それについては丁寧に気づかないフリをした。
「――遅かったな。遺跡の散歩は楽しんだか?」
「ちぇっ。バカにしてさ……」
余裕の口調で言ってやれば、少しも隠さずにヴァンが悔しがる。
一緒に遺跡についていながらお宝の部屋まで別行動だと言ったことを根に持っているのかもしれない。もしくは先回りしたバルフレアがそれとなく仕掛けを解除していたことに気づいたのかもしれない。
あれから一年だ。自分の飛空艇を手に入れたぐらいなのだから、少しは成長しているのだろう。だがシュトラール以外の飛空艇を見つけた時には少し複雑だった。必死にバルフレアに追いつこうとしているその姿を好ましく思いながらも、どこかで寂しさも感じた。隣を歩こうと駆けるその姿を見ながら、自分の庇護下だけに留まっていないことに焦燥を感じた。
度し難いことだと思う。どうしたいのかが自分の中で定まっていないようだ。以前フランにも指摘されたことだ。共に歩みたいのか、その手で守りたいのか、それとも本当はあの手に――守られたいのか、と。
「それが、秘宝?」
「そう、"永遠"に繋がるというグレバドスの秘宝だ」
「グレバドスの秘宝……」
秘宝という言葉に嬉しそうに呟きながら、けれど「永遠」の方にはそれほど興味はないらしい。ヴァンはまだ未来だけを見ている年だ。永遠などと言われてもそれほど実感が湧かないのだろう。
だがそれは逆に強いということだ。永遠などという存在しないものを求め始めた時、人は際限なく脆くなる。そのことを理解していて尚、永遠を求めてしまうのが人の性というものなのだが。
「――永遠が欲しい?」
そんな心境を読んだようにフランが問い掛けてくる。
一年前なら答えを持たなかったかもしれない。だが今は大丈夫だ。
「いらないとは言わないさ。俺はそれほど無欲な人間じゃないからな。だが取り敢えずは――」
目の前の太陽の輝きがあれば、永遠という名の輝きはそれほど眩しいものではない。
そう答えるとフランは柔らかく笑いながら小さく頷いた。

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