運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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鳥 -サナダテ-

――鳥に。生まれ変わったら鳥になりてぇな。


青い空を見上げながら、蒼い竜がぽつりとそう漏らした。
普段の彼と違ってあまりにも小さな声で呟かれた、想像もつかない言葉だったので、それが真実政宗の口から発せられたものかどうか、幸村は暫くの間わからなかった。

長かった奥州の冬も終わり、辺りは緑や色取り取りの花で覆われ始めている。何処かしこにも明るさの溢れている世界の中で、蒼だけが季節を冬のまま留め置いたように輝いている。
同じ青だというのに、晴れ渡った空とは異質の蒼が。

「政宗殿。何故そのようなことを?」
「――幸村。アンタ、空を飛びたいと思ったことは?」
「はぁ…考えたこともござらん」
「ふぅん」
「ですがもし飛べるのなら宜しいでしょうなぁ。空を飛ぶことができるのなら、道が雪に閉ざされても奥州に来ることが出来ますゆえ」
「Han, これだけ頻繁に来ててまだ来るってか」
「いけませぬか?」
「アンタが来ると煩くてかなわねぇ。冬の間ぐらいはちーっとは静かにしてろ」
「心外でござる」

少し語気を強めて抗議すれば「雪でもアンタは来るだろうが」と口角を持ち上げながらからかい口調で言う。
だがどこか、その笑い方は薄かった。表面上は何も変わりはしないのに中身だけが空っぽになってしまったような、何かを諦めてしまったような、そんな印象を受けた。戦場を駆け抜ける竜とも、臣民に慕われる奥州筆頭とも違う印象。

もし、そう表現することが許されるのなら、政宗は迷っているように見えた。
自分の進むべき道を見失い戸惑っているような。もしくは進むべき道を恐れているような。

「政宗殿」
「……don't tell me 'why'. 理由は聞くな」
「鳥でなければいけませぬか?」
「ただの例え話だ。深い意味はねぇ」
「某は政宗殿が竜でも鳥でも構いませぬが、出来れば人であって欲しいと思います」
「『紅蓮の鬼』が、人を望むってか?」
「政宗殿が鬼を欲するのであれば某は鬼となりましょう。ですが政宗殿が本当に望んでおいでなのは違うのではございませんか?」
「――――違わねぇ」
「政宗殿――」
「違わねぇって言ってんだろう!」

抜き身の真剣を首元に突きつけられたように空気が凍る。
政宗の手には真剣どころか武器になりそうなものなど何もなかったが、その声だけで、その眼差しだけで、人を斬ることが出来るのではないかと思わされる。まさしく逆鱗に触れられた怒れる竜。

「俺はな、いつだってアンタと遣り合いたくてたまんねぇんだよ。温い関係じゃなくて戦場で命を取り合う真剣勝負の瞬間……あのゾクゾクする興奮がいつだって欲しくてたまらねぇのさ」
「手合わせでござれば、某もいつでも望むところです」
「違うな。俺が欲しいのはそんなもんじゃねぇ」
「…………」
「わかってるんだろう?」

静かな中庭に、小さく鶯の鳴き声だけが響いた。


何となく書き始めて何となく続くが続きは未定(極悪)。
サナダテは穏やかなくせに終わりをいつも見てるというか、政宗は温い関係に浸って相手に感じた熱いものを失うことを怖れている感じ。相手を殺せなくなるのが何よりも恐い、とか。

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