運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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crazy moon -小十政-

夜中に自然と目が覚めた。
皆が寝静まった城の中で何かが動く気配を感じたからであったが、神経を研ぎ澄ましてその気配を探ると、それは良く知っている気配であった。城主としてまだ年若いとはいえ幼い子供ではない。普段ならばそのままそっとしておくのだが、今日は何故か妙な感覚に囚われてそっと起き出して気配の方へと足を進める。
主の部屋が見える場所まで来ると、廊下で一人、柱を背にしている影が目に入った。白小袖のまま肩に陣羽織をかけた格好で、酒を片手にじっと外を見ているようだった。
「政宗様――」
「Yo. お前も飲むか?」
小十郎の呼びかけに振り返りもせず、そのまま片手の杯をひょいと上げてみせる。
固辞しかけたが、酒の置かれた盆にもう一つ余分に杯が置かれているのを認めて言葉を飲み込んだ。やがて小十郎がやってくるだろうことを予想していたのか、それとも来ることを待っていてくれたのか。殊更に勧めたりはしない言葉の少なさに笑みを浮かべ「ではお言葉に甘えて」と返した。
左から振り返った政宗の表情は、一瞬だけ驚いたような様子を浮かべていた。おそらく誘いなど受けず早く休むように言われると思っていたのだろう。だが驚いた表表はすぐに楽しげに笑った表情にとって変わり、盆の上の杯に酒を注いだ。
「――ほら」
「有難く」
杯の中の酒が月明かりに照らされて輝いていた。
温かくなってきたとはいえ夜風はまだ冷えていて、首筋を通っていく風に少し目を細める。だが思っていたよりはそれは冷た過ぎることはなく、高揚している精神には心地良いぐらいの冷たさであった。
「なぁ、小十郎」
「はい」
「今日は月が近く感じるぜ。そう、まるで今にも掴めそうな月だと思わねぇか。なぁ」
そう言って政宗は右手を前へと伸ばす。
月に向かって手の平を向けぐっと掴み取るように拳を握る。
子供のように無邪気で、けれど猛々しいほど力強い。
片目ではものの遠近感がつかみにくいものだ。地平線ギリギリで今宵のように月が大きく見える夜は、政宗にとっては本当に目の前に月が迫っているように感じられるのかもしれない。
だがそんな理由とは別に、小十郎は心臓を鷲づかみにされているような痺れを感じていた。
地に降りてきた月をもぎ取るように力強く荒々しい政宗の行動。それは稚気と呼ぶには心を捕らえ過ぎていて、問答無用の揺さぶりを心に受ける。意味もなく理由もつかめず、その力に引き寄せられて同じものを見たいと思わせられる。
「政宗様ならいずれ、月も手になさるでしょう」
「Ha!どうした小十郎。らしくないな」
「思ったままを申したまでです」
「お前も意外とcrazyだな。最高だぜ」
「ですが今宵は大事な戦の前。風も冷たさを増してきましたゆえ、出来るだけお早くお休み下さいませ」
「ちッ、結局いつもの小言かよ」
「政宗様――」
「まぁいいさ。小十郎、お前のそんなCoolなツラ、久しぶりに拝ませてもらったからな」
からからと底抜けな笑い声を立てて政宗は立ち上がる。
肩にかけてあった陣羽織がはらりと床に落ちたが気にした様子もなく、白小袖の裾と髪を風に揺らしながら月を見つめている。今宵の月はいつも以上に大きい上に、赤く染まっているようにも見える。
「明日はド派手なPartyを楽しませてもらうぜ。ついてこいよ、小十郎」
「無論」
酒では味わえない興奮と酔いが身体の中を満たしていくのがわかる。
きっと月さえもその手に出来るだろう。
戦場を駆け抜ける蒼き独眼竜ならば、必ず。


サイトジャンルを放っておいてBASARAで小十政。やっぱり主従は萌える。
もう少し小十郎をキレた感じに書ければいいのだが難しい。
歴史に弱いので色々間違ってたらこっそり教えてやってください。

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