運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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瞳の中心 -FF3-

初めはただジョブの都合上、彼が前衛を務めているからだと思っていた。
気がつけば視線の先にはルーネスの揺れるアッシュグレーの髪。
後ろで無造作に束ねられた髪は、軽やかな動きにあわせてまるで舞うように宙に光の軌跡を描いていく。それは薄布越しに浴びる日の光のように、瞼越しに感じる月の光のように。淡くて優しくて美しい光り。
魔物の攻撃を防ぎ、一撃の下に切り倒していく、そんな力強さとは対極のようにも感じられるルーネス。
と、その身体がくるりと振り返った。
「――――っ」
「ん? 何か言ったか、イングズ?」
「い、いや。何も」
「そうか?」
木漏れ日を浴びた髪の反射が戦いを忘れさせて、つい見惚れていたなんて。言える訳がないしイングズ自身も自分に驚いていた。
「呼ばれた気がしたんだけどなぁ」
「――私は、別に……」
「うーん。あ、もしかして……俺に見惚れてた?」
「なっ――――」
反論の言葉が喉の奥に引っ掛かって出てこない。
まさか。馬鹿を言うな。おまえはそんなことばかり言うな。――いつも通りのそんな言葉を返すつもりだったのに、浮かんだ言葉を音として発することが出来なかった。まるで身体が自分のものではないように、ルーネスの悪戯交じりの言葉と眼差しに捕まってしまって、身動きができない。
言葉もなくぶつかり合う瞳。
無言の中にこもってしまったたくさんの感情。
逸らしたくて逸らせない視線。
「なぁ、イングズ」
「――な…んだ?」
「俺はさぁ、いつでもイングズが欲しいんだってわかってる?」
「!」
言葉と行動を決めかねている間にルーネスの手が頬に触れる。
初めは兵士を務めていたイングズよりも頼りなかったはずの手は、今はイングズよりも戦い慣れた硬い手をしていた。クリスタルの力を得てから一貫して前衛を務めるルーネスには、実戦で培われた力強さが宿っている。
「これでも俺、我慢してるんだぜ」
「ルーネ…ス……」
「今お前は赤魔道師。俺はナイト。接近戦ではどちらが有利か何てこと、今更言わなくてもわかるだろう?」
「何を――」
思わず一歩後退ろうとしたが、一瞬早く腕をつかまれる。
頬に触れる硬くてけれど温かいルーネスの掌と。
逃がさぬように腕をつかむ力強くて何故か温かい掌。
「何をするつもりかって? 俺としては何を期待してるのかって聞きたいところなんだけどね。……今、俺に何をされるかもしれないと怯えるふりをしているんだ?」
「……ふり?」
「ふり、さ。怯えていなければ自分も期待しているってことを認めなきゃいけないからな」
「お、俺は――」
「何も期待なんかしていない、だろ? わーかってるよ。これだから真面目な思考回路は面白いなぁ」
そう言ってルーネスはカラカラと笑いながら手を離した。
捕まれた腕が解放されたことにほっとして、けれど頬から温かみが去ったことに胸が少し軋んだ。何故自分がそんな相反する思いを感じなければいけないのか、理由を見つけられないままに。
目の前で揺れるルーネスの髪。
常にイングズの前で揺れている銀の光。
「イングズお前さ、自分の視線の行く先ぐらい、自覚してろよな」

イングズの視界の中心で、ルーネスが笑った。


久しぶりにやっと書けたFF3。我が家のイングズは自分の感情に気づかない鈍い子で、ルーネスは何でもお見通しのやや腹黒悪戯っ子。

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