運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ヴァンバル -優しさの痛み-

ヴァンが夜中に目を覚ましたら隣のベッドが空だった。
しかもベッドのシーツは綺麗に整えられたままだった。

自分を置いて消えてしまったのかもしれないと思ったが、荷物は置いたままなのでほっと安堵する。けれど安堵した直後に今日が何の日であるかに思い至り、そして不安以上に苦しい想いに心臓をつかまれそうになる。今日は彼の――バルフレアの父親の月命日だ。

どうして起きてしまったのだろう。彼は気づかれたくなどないはずなのに。どうして思い出してしまったのだろう。彼は知られたくなどないはずなのに。後悔したがもう遅くて、ベランダで人影が少し揺れるのがわかった。

「――よう。おまえが途中で目を覚ますなんて珍しいな。一度寝たら朝まで馬鹿面晒し続けるのが基本なのにな」
「ば…馬鹿面なんていつ晒したんだよ!」
「いつもだ」

上手くいつもの調子で返せただろうかと不安に思ったが、暗がりの中のバルフレアの表情を見極めることは難しかった。ただいつも通りの口調と声音と、そしていつも通りの優雅な動き。それが必要以上に悲しさを掻きたてる。

「お子様は寝てろ。成長が止まるぞ」
「バルフレアこそ――」
「俺は十分成長済みだ」
「……じゃぁ、寝るから隣にいてよ」
「おまえ……まだ寝ぼけてるか?」

ベランダから呆れた声。
けれど続いてカタンと音が聞こえて、バルフレアが入ってきた。

「今日だけだぞ。さっさと寝ろ」
「――うん」

大好きなヘーゼルグリーンの瞳を見つめ返すことは出来なかった。
見てしまったらきっと、ヴァンの方が泣いてしまう。
人に優しくしないと立っていられないぐらい傷ついている、そんなバルフレアを見てしまったら。

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