運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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もう叶わないけど -ディムスタ-

自分の萌えには忠実に、どれだけ同士が少なくても好きです、ディムスタ。

そんな訳で需要はどうなんだろうという疑問は置いておいて、今日のSSはディムスタです。そしてちょっと切ない系。ディムロスとスタンのCPだと深い精神的な繋がり&わかっていて気づかない想いっていう感じになってしまいやすいです。
残念なのはディムロスがスタンを抱き締める、とかいうアクションに出れない点ですよね。声は出せても剣だからなぁ。まぁ種族(?)の壁は厚いですけど障害は多い方が萌えるんですよ!

では、興味のある方は続きを読むよりどうぞ。一応EDまでのネタバレが含まれるので未クリアの方はご注意下さい。


――あの星を眺めていたのはいつだったのだろうか



眠りにつくのは一番最初。眠りから覚めるのは一番最後。一度寝たら呼んでも叩いても踏んづけても起きない。スタンの寝起きの悪さというか寝入りの見事さは誰もが溜息交じりに感心するところである。
だがその日夜遅く、暗闇の中でスタンは目を覚ました。
何故こんな時間に目が覚めたのだろうと、状況を良く飲み込めずにスタンは暫く真っ暗な天井を眺めていた。目覚めれば昼が過ぎて夕方ということはあっても、目が覚めたけどまだ日が昇っていない、などという経験はスタンの記憶の中にはなかった。
このままもう一度目を閉じて眠りに入るか。普段なら考えるまでもなく実行するところだが、えいっと勢いをつけて起き上がった。

『どうした。眠れないのか、珍しい』
「あ、ディムロス。俺が起こしちまったのか?」
『気にするな。ソーディアンは基本的に眠りは必要ない』
「そっか。良かった」
『我も行こう』
「え?」
『外に行くのだろう?昼間の雨で冷え込んでいるから温かくしてから行くことだ』
「――うん」

マフラーを巻いて、その上に普段は着ることのないコートを羽織る。動き辛くなるのであまり好きではないのだが、忠告を無視して風邪でも引いたらずっと小言を言われることになるだろう。
さっと身支度を整えると壁に立てかけていたディムロスを手に取る。
夜の寒さで全てが冷たくなっているのに、何故だかディムロスは仄かに温かかった。特別な金属だから温度を一定に保つような性質でもあるのか。それともディムロスが炎の力を宿しているから温かいのか。疑問には思うが口に出して聞いたことはない。

音を立てて皆を起こさないように静かに階段を下り、宿の外に出る。
風は吹いていなかったが冷たい空気が街中に広がっていて、スタンはぶるりと身体を振るわせた。ジェノスのように雪が積もってはいないが、それでも地面を踏みしめた足から刺すような冷気が伝わってくる。

「うわー、寒い」

素直な感想が口をついて出た。
想像以上に冷え込んでいて吐く息がすぐに真っ白になる。十分厚着をしていたはずなのに、一瞬で身体の芯まで凍えそうなほどだ。明け方前で気温が下がっているのもあるだろうが、昼間は賑やかな街に人一人いない、という状況が余計に寒く感じる原因かもしれない。

「あ、夕方は雨が降ってたのに星が見える」
『そのようだな。宿のマスターが言っていた「明日は晴れる」という予報はどうやら当たりのようだ』
「本当だ。すげーなぁ」

飾り気のない感想を口に出してスタンは空を眺めた。
星を見るなどというお腹を満たさない趣味は基本的にはないが、その夜の空はそんなスタンでも見入ってしまうほど綺麗だった。どこまでも澄んでいて掴めそうなほどクリアで、冷たい空に燦然と輝く星々。

いつもより星が綺麗に見える、などとガラにもないことを口にしてみた。らしくないと笑われるか呆れられるかも知れないと思ったが、ディムロスはそうだなと静かに同意の言葉を口にした。それは単なる相槌だったのかもしれないけれど、そこにはスタンの知らない想いや時間が詰まっているように感じられた。

『雨の後は大気中の埃が少なく綺麗に見えるものだ』
「へー」
『それに寒い夜は空気の揺らぎが少なく星の光が真っ直ぐと地上に入ってこれるため、輝きも強くなるという』
「そうなんだ。ディムロスって物知りだなぁ」
『常識の範囲内だ。おまえは物事を知らなさ過ぎる』
「なんだよ、ディムロスって――あっ!」
『?どうしたスタン?』
「流れ星が見えた!」

東の空を指差したが既に消えてしまっていて、空を覆う星の煌きだけがそこにあった。
確かに見えたのだと言おうとして、ふとディムロスはどうやってものを見ているのだろうかと疑問が沸いた。出会ってから今までの状況で周りが見えているのだということはわかっていたが、どこでどうやって見ているのだろうか。
単純に考えればコアクリスタルがその役目を果たしているのだろうが、そうでなければ良いと思った。例えばマスターであるスタンが見たものを共有して見ることが出来るのだとか。

そうすれば自分が見たものはディムロスにも見えているわけで、先ほどの流れ星もディムロスに見せることが出来ただろう。まったく同じ流れ星をまったく同じように見て、そして同じように感じることが出来れば……。

『――あぁ、綺麗だな』

不自然なスタンの沈黙を破るようにディムロスの声が響いた。
驚いて輝くコアクリスタルを見つめるが、そこからディムロスの感情を読み取ることはスタンには出来なかった。ただ明暗を繰り返す赤い輝きが温かくスタンの顔を照らし続ける。

「……あのさ、ディムロス」
『ん? どうした?』
「流れ星が見えている間に願い事を3回言ったら叶う、って言い伝え知ってるか?」
『そのようなものがあるのか。残念ながら知らなかったな』
「ディムロスだったら何を願う?」
『我が願うことか?――ふむ』

問い掛けにやや沈黙が続く。
黙ってしまえば目に映るのは剣の姿だけで、コアクリスタルの輝きだけがディムロスの存在を教えてくれる。けれど手に伝わってくる温度は変わらずに温かくて、厚手のコートを羽織るよりもよほど温かい。まるで全身を包み込まれているかのように。

『そうだな。さしずめスタン、おまえと同じことを願うとしようか』
「俺と――同じもの?」
『我の願いはそれだけだ』
「……ディムロス」

そっけないほど静かな静かな声。
それでいて温かくて熱くて力強い声。

「俺の願い事が――何かわかるのか、ディムロス?」

声は震えていなかったと思うが自信はなかった。予想外の言葉に驚いていたが、それ以上にその言葉に動揺する自分自身にスタンは驚いていた。
何の変哲もない言葉のはずなのに心を鷲づかみにされたような衝撃。嬉しいような泣きたいような、望むような怖いような、良くわからない混ざり合った感情。

『――さて、な』
「ちゃ…ちゃんと言えよ!隠し事をするのは良くないって習っただろう!?」
『知らんな』
「ずるいぞ!」
『ずるくても構わん。だが――おまえはどう思っているのだ』

低い声がいつも以上に低く響く。
口調はからかいを含んだもので、けれど奥に別のものを含んでいた。

何を望んでいるか。何を思っているのか。
もっと世界を見て周りたい。ずっと一緒にいたい。もっと強くなりたい。もっとマスターとして相応しくなりたい。色々なことを知りたい。知らないことをもっと教えて欲しい。ずっとそばにいて欲しい。もっと……。ずっと……。
願うことは多くて思うことも多くて。どれか一つに絞れないほど抱えている。でも、もし一つだけなら。一番強く思っていることを、一つだけ願うとしたら、それは――



あの後、流れ星はもう流れなかった。
もう一度流れたのなら声に出そうと決めた願いも想いも、結局そのままずっと口に出すことはなかった。伝える機会は幾度もあったはずなのに、意地になって流れ星を見るまではと口にすることはなかった。

だから最後まで伝えられなかった。
あの時には伝えられなくなるなどと思いもしなかった。離れることがあるなどと考えもしなかった。声を聞けなくなることなど想像すらしなかった。

「――――あっ」

目の前で今、星が流れた。
スタンの声は冷たい夜空に吸い込まれていき、それに応える者の声はない。いつか見た流れ星。けれどいつかとは違う流れ星。

「ディムロス。ディムロス。ディムロス」

会いたい。声が聞きたい。ただ共にいたい。
願いはあの時から変わらず、ようやく口に出来た願い。
だがその願いを聞くものは夜空へと消えていった流れ星だけで、伝えたかったたった一人の相手に届くことはない。もう二度と、永遠に。


「――――ディムロス……」


三回流れ星に繰り返したたった一つの願い。
今となっては叶えられることのない、たった一つの同じ願い。


「あの時」はまだグレバムを追い掛けていた頃です。
あの時にはEDのような形で別れがくるなど思いもせず、ただ前だけを見ていたスタン。全てが終わって騒動が治まってふと立ち止まった時、もう傍らにディムロスがいないのだと思い知る瞬間があったのではないかと。

――自ら手を離してしまった何よりも大切な人。それが彼の願いであるとはわかっていたけれど、喪失感が埋まることはない。

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