運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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不便になってく心・前 -バシュバル-

最初は何だったか思い出すのも難しい。

多分些細なことだったに違いない。昼間の戦闘でモルボルに臭い息をかけられたこととか、騒いでいたヴァンにぶつかられて服が汚れたこととか、宿の食事が塩辛過ぎたこととか、きっとそんなことの積み重ねだったのだろう。だから出来るだけ刺激しないようにしていたのだが、残念ながら機嫌を損ねている時のバルフレアの地雷を避けるのは困難を極める。

気に入らないことがあるから怒りを向けるのではない。怒りを向けたいから気に入らないことを探しているのだ。そしてバルフレアにかかればバッシュの「気に入らないところ」を見つけるのは容易い。何しろ「気に入らないものが服を着て歩いている」状態らしいのだから。

「だいたいなんでアンタはいい年してハーフパンツなんか履いてるんだ」
「いや、これはこれで動きやすいのだが」
「しかも服のデザインが左右非対称だ」
「うむ。なかなかおしゃれだと思うのだが」
「最悪だな」
「そうかね?」
「色使いもサイテーだ」

などと言い合っているうちはまだ良かった。いつものことだ。そんなことで本気で怒るほど若くはないし、バルフレアの悪口は一種のコミュニケーションだ。軽口にからかいを含ませることは多々あるが、感情を込めて言葉を発するのはある程度信頼している証拠でもある。
普段他の仲間がいるところでは(フランは例外だが)そんな表情は見せず、バッシュの前だけでは隠さない。そのことに少なからぬ優越感と満足感を覚えてもいる。他者に見せようとしない一面を自分が知っているということは、それだけで満たされ、怒鳴り声ですら心地良く響いてくるのだ。

だがそれがまずかった。
神妙な表情を作っていたはずがついつい表情が緩んでしまったらしい。バルフレアはそれを馬鹿にされたと取ったようだった。

「何がおかしい!」
「いや、そうではないのだが……」
「あぁ、あんたはいつでも口では謝っておきながら本当は少しも悪いなんて思っちゃいないんだろうよ」
「違うのだ、バルフレア」
「煩い、触るな!」
「バルフレア――」
「…………やってられねぇ。酒でも飲み直してくる」

バッシュの手を乱暴に振り払うと、バルフレアは大股で横をすり抜けて部屋を出て行こうとした。
そしてノブに手をかけて、あぁ、と何かを思い出したように呟くと振り返り、にやりと口元だけで笑った。ヘイゼルグリーンの瞳は一欠けらも笑いを含んではいない。

「今ならまだ『アイツ』に会えるかもしれないな」

それがただの嫌がらせの言葉であるとわかりつつも理性の鎖が外れるのがわかった。


極悪と知りつつ続いたりする。サイテーだなぁ。

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