運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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結局貴方に -ヴァンバル-

復帰一発目はヴァンバルで!バシュバルと悩んだけど、新年の甘さ的にはこっちの方が良いかなぁと。どうやら今年も甘々SSが大量増殖しそうな予感です。
バシュバルは明日……書けるといいなぁ(笑)。でも実はTODを書きたくてたまらないんだ。ディムスタ。さくっと何本か書いてサーチに登録しようかしら。



「何だよ、俺が悪いってのかよ」

何度目になるかわからない呟きを、ぶつける相手のいない静かな空間に向かって投げつける。
温暖な地域ではあったが季節がら夜は寒いぐらいに冷え込んでいて、ゆっくりと吹き抜けていく風の冷たさに身体がぶるっと震える。ヴァンは寒さを紛らわすように身体を縮めて膝を抱えたが、自分の格好が寂しさゆえに拗ねている子供の雰囲気と不覚にも重なってしまい、一人むっとしてしまった。

自分が悪いのだ、ということをわからないほど子供ではない。けれどすぐに謝れるほど子供でもない。いや、実際はすぐに謝ったのだ。バルフレアは気難しいし地雷がどこにあるのかわからないような性格だが、それでも意味もなく怒ったりはしない。
きっかけは宿の部屋。久しぶりの二人部屋なのにバルフレアが、まったくヴァンの方を見ようともしないでシュトラールの設計図とにらめっこをしていたからだ。そんなことは日常茶飯事で慣れていることだったが、それでも設計図の上を滑っていく細長い指を見ていると、テーブルの上に広げられた薄い紙にですら嫉妬してしまいそうだった。

だから考え事をしている時に邪魔をされるのをバルフレアが極端に嫌うことを知っていたけど、少しでも自分の方を向いて欲しくて設計図を奪い取った。それだけだったのだが――。

「そりゃぁ、悪いけどさ」

その時にティーポットを引っ掛けて派手に倒して、設計図を紅茶まみれにしたのだ。しかも運の悪いことにバルフレアが書き足したまだ乾いていない部分をだったので、紅茶とインクが一瞬で混じって広範囲に渡って判読不能な状況になってしまったのだ。

慌てて謝ったけどバルフレアの怒りが収まるはずはなく「出て行け!」と言われて勢いで飛び出してきてしまったのだ。

「謝ったじゃないか……」
「ほー『うわ、ごめん』がおまえの謝る、か」
「謝ってるじゃんか。それなのにしつこいし……」
「そうか、俺の2時間はその程度だと思っているのか」
「だって……って……えぇ?!」

会話が成立しているおかしさにようやく気づいて顔を上げると、座っているヴァンを高い位置から見下ろしている整った顔にぶつかった。

「い、いつから?!」
「『何だよ、俺が悪いってのかよ』の直後ぐらいだな」
「最初っからじゃないか!」
「おまえが独り言を馬鹿みたいにでかい声で言ってるからだろうが」
「そ、そうかもしれないけど――」

言葉を続けられずに口をつぐむ。まともの顔を見ているのが恥ずかしかったし怖かった。馬鹿で手間のかかる子供だと、そう呆れられているのだろうから。

答えを探すように視線を迷わせていたが、月明かりで出来たバルフレアの影が自分の頬に掛かる。バルフレアは月が浮かぶ空の彼方を見ていた。夜の闇に隠された横顔にどのような表情が宿っていたのかをはっきりと見て取ることは出来ない。けれど口元が少しだけ緩んで、

「帰るぞ」

当たり前のように短く言い捨てて、視線を向けることも手を差し伸べることもなくさっさと宿の方へと歩みだした。

「――うん!」

慌てて立ち上がってヴァンは後を追う。バルフレアの声にも背中にも確かな優しさなど浮かんでなかったけれど、確かにそれは温かかったのだ。

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