運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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困惑 -バシュ←バル-

目覚めたのは耳をくすぐる街の喧騒だった。

何も聞かなかったふりをしてもう一度眠りの中に埋没しようとしたが、閉じた瞼の上からでも感じられる光が予想外に明るくて意識が再浮上する。一度浮上しだした意識は光や騒音を拾いながら確実に覚醒へと向かい、最後の抵抗とばかりに寝返りを打った時には完全に眠りの世界からはじき出されていた。

シーツの中で瞼を上げる。視界は明るい。周りのシーツをかき集めるようにして抱え込み身体を小さく丸めると、そこには温もりが感じられた。
明るさから推測するともう昼近くになっているのであろう。冬とはいえ十分に降り注いだ陽光で、ベッドは夜の冷たさとは違って柔らかく温かい。人肌ぐらいか、それよりもう少し温かいぐらいか。

「…………」
「――起きたかね?」
「…………何で出かけてない」
「殿下が熱を出してね。恐らく昨日の湿地の移動が堪えたのだろう。医者が言うには一日寝ていれば大したことにはならないそうだが」

別に君の為に出立していないのではないと言われている言葉ながら、不思議と冷たさや余所余所しさを感じなかった。どちらかと言えば今日はこの街にいる予定だから好きなだけ寝ていればいい、そう諭されたような雰囲気だった。

もちろん全て自分の勝手な解釈ではあったが、だが肌で感じられる感覚が昨日までと違うことだけはわかった。張り巡らされている空気が昨日までとは違って少しだけ柔らかいのだ。その理由についてはバルフレアにまったく思い当たるふしなどないのだけれども。

「何時だ?」
「11時をまわったところだ」
「……朝食食い損ねた」
「あぁ、11時までだったな」
「……アンタが手に持ってるのは?」
「珈琲だが――入れるかね?」
「ミルクたっぷりと砂糖2杯」
「…………君が甘党とは知らなかった」
「朝からブラックは胃に悪いし脳の栄養補給は糖分が効率的だ」
「なるほど」

妙に感心したように頷く姿に自然と口の端が上がる。

だが手を伸ばし入れたての珈琲を受け取ったところで違和感に気づき、その原因に思い至って手に持ったカップを落しそうになった。確かに昨晩はベッドの左端に潜り込んだはずなのに、今バルフレアがいるのは右の端だ。昨晩バッシュが眠りについていた位置。
動きの固まったバルフレアにバッシュは怪訝な視線を送ってきたが、それに応える余裕は残念ながらなかった。

ただ珈琲の湯気だけが二人の間でゆらゆらと立ち上っていた。


シリアス路線(?)から一転、コメディタッチにしてみました。学園ラブのような痒い雰囲気になっちまいましたが。

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