運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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奇襲 -バシュ←バル-

――さて、どうしたものか

ベッドの中で目を開けたまま身体を動かさずに、バッシュはその朝3度目になる自問を心の中で繰り返した。出来れば瞬きしている間に状況が変わっているなどということがあれば大歓迎なのだが、やはり世の中は都合よくはできていないらしい。

視線を下ろせば胸の辺りに温かい塊。
何度見返してもそれは子供のように小さく丸まったバルフレアの身体で、完全に眠りに落ちている無防備な表情からは普段の彼を想像するのも難しかった。もし同じ状況がヴァンだったならそれほど動揺はなかっただろうが、意外な素顔を見た、というには印象が違い過ぎて混乱してしまう。

昨夜遅くに戻ってきたのは知っているし、その時はちゃんとベッドの端に入ったのも知っている。イライラした雰囲気を漂わせてはいたが、神経の高ぶりよりも身体の疲れの方が大きかったのだろう、程なく眠りに落ちたところまでは確認していた。
だが目が覚めたら離れて眠っていたはずのバルフレアは、バッシュよりも縦に長い身体を温もりを求めるようにバッシュにぴったりと寄り添い丸まって眠っている。その行動にも驚いていたが、何より今の今まで自分がバルフレアの行動で目を覚まさなかったということの方が驚きだった。

夜の休息の中でも完全な眠りには落ちない。夢の中であっても外の音を絶えず拾い続ける。近づく気配には身体が先に反応する。それがバッシュにとっては当たり前だったし、そう務めてきていた。それなのに――侵入を許してしまっていた。

普通なら気にせず起き上がるだけのことだった。そのことでバルフレアが目を覚まそうが気まずい想いをしようが、それはバルフレアの問題であってバッシュの問題ではないはずだった。
だが気づかなかったという事実が妙な負い目となって、バッシュは自分の行動を決めかねていた。どうすればいいのかという単純な問いに答えを出せずにいた。そして不覚にも「どうしたいのか」という自分自身に対する疑問までもが浮かんでしまっていた。

すぐ側にあるのは温かい身体、それだけ。けれど伝わってくる温かさが心の中までもを満たしてくるようで、物理的な状況に感情が引きずられる自分を感じずにはいられなかった。そんな感覚は既に忘れてしまったものだと思っていたのに、稚拙な心の揺れが自分の中の何かを起こそうとする。

「私としたことが――らしくない」

呟いた言葉はバルフレアの吐息の中に埋もれて掻き消えていった。
眠りを邪魔しないようにそっと身体を離すと、何かをつかもうとするバルフレアの手の動きに無意識に微笑みながらベッドから出た。

夜明けまで後少し。彼が目覚めるまで後少し。
自分の中の答えが形になるまでは――まだかかりそうだった。


バシュ←バル←ヴァン、と言いながら少しだけ通常バシュバルちっくにしてみたりとか。全て美味しくいただけて一つに絞れないから、雑食は困るんですよねー。

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