運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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僅かな距離 -バシュ←バル-

バシュ←バル←ヴァンのシリーズで。


いつも以上にゆっくりとシャワーを浴びて、どうかもう眠っているようにと半分祈るような気持ちだった。というか寝ていろ。起きてても寝ていろ。そんなことを繰り返しながら部屋に戻った。

明かりは灯っていたがやや明度が落されていた。足音を立てないように、けれど足音を忍ばせていると思われない程度には自然な動きで、慎重にベッドを覗き込む。
大きなベッドの左隅に見える金の髪は微動だにせず、規則正しい肩の動きから既に眠りに落ちているであろうことが推測された。その様子をたっぷり三十秒は凝視してから、バルフレアは全身の力を抜いて溜息をつく。

まったく、心臓に悪い。

街に着くのが遅くなったので宿を選んでいられる状況でなかったとはいえ、これはある意味最悪だった。大の男二人が泊まる部屋にダブルベッド一つしかないなどというのは。
部屋もベッドも申し分なく広いのだが、これならサイズの合わないベッドに一人寝かされる方がいくらかマシというものだった。もしくはフランと相部屋であればくつろげる。というか、同じベッドになるのがこの男でなければ、何も気にせず仕方ないの一言で済ませられたであろう。この男――バッシュでなければ。

バッシュが眠っている反対側に周り慎重に腰を下ろす。
モノはいいのであろう。スプリングは軋むことも振動を伝え過ぎることもなく、柔らかくバルフレアの体重を受け止める。バッシュが目を覚ます気配もない。

「悪い冗談だぜ」

シーツに滑らせた手には仄かな温かさが伝わってくる。
湯上りのバルフレアの手は十分に温まっているのだが、それとは違う、人から発せられる生きた温もりが伝わってくるのだ。じっと耳を澄ませば心臓の音まで伝わってきそうだ。そして自分の心臓の音でバッシュを起こしてしまいそうだ。

横向きで眠っているバッシュの顔はバルフレアの方向からは見えない。移動中、常に見ている背中が見えるだけだ。だがその背が自分から遠ざかることなくそこにあり続けることに身体は別の熱を覚えてくる。
そしてそのことにガラにもなく指先が震える思いがする。思春期のガキじゃあるまいし何を一人で緊張しているのだと馬鹿馬鹿しく思いつつも、理性と理屈の制御を受け付けないのが感情というものだ。そんなことを今更のように思い知らされる。

欲しいものは盗み奪う。それが空賊だしそうやって生きてきた。愛や恋で生きていける訳でも金になる訳でもない。つまりは抑え難い性欲に耳障りの良い理由と筋道をつけただけのものだ。無理矢理というのは好きではないが多少の強引さでもって流れを作りことに及ぶ、ぐらいのことは常套手段だ。相手が男だろうと女だろうと。

それなのにこの男相手には何もできない。誘うことも、多少強引に行くことも。自分よりも強い相手に強引に行くのは無謀だろう、というのは自分自身への言い訳だ。そんなことを考える自分に腹が立つ。そして自分のこんな感情を薄々察しているであろうこの男にも殺意に似た感情を抱く。それでも――


この温もりだけで満たされる愚か者がここにいる。
不確かな「全て」というものを欲する愚かな心がここにある。


今回は身体中が痒くなってくるような乙女バル。誰この人?ってな感じですが。もういいのよ、自己満足だから。
格好良いバルが好みのはずなんだけどなぁ。

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