運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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旋回 -ヴァン→バル-

バシュ←バル←ヴァンのシリーズです。


手をシーツと背中の間に回して抱き締める。
自分の腕の中に、今まで味わったことのないような温もり。

背に指を走らせれば見た目よりしっかりと筋肉のついた身体であることがわかる。頑強というには細いが、しなやかで柔軟性にとんだ必要十分な筋肉。
頬を寄せれば聞こえてくるのは生きている証の規則正しい心臓の音。その脈打つ振動に確かに生きているのだと安堵し、けれど平素と変わりないであろうリズムに少しだけ苦いものを感じる。

――なぁ、あんた何で今俺の腕の中にいるんだ?

視線を移すとヘーゼルグリーンの瞳とぶつかって心臓が弾けそうになる。俺のそんな動揺を見て取ったのかバルフレアは少し首を傾けて唇の端に小さな笑みを作りだす。人をからかう時のその表情は、もしかしたら俺が一番多く見ている表情かもしれない。

「どうした? ここまできて怖気づいたか?」
「なんでそんなこと聞くんだよ」
「即行動のおまえが鈍い頭をフル活動させて考えたって、答えが出るのは何年後だ?」
「…………バルフレアは?」

震えそうになる声を隠すために強い口調で聞き返す。
安宿の相部屋の中、狭いベッドの上、薄いシャツ一枚羽織っただけの格好で、俺に圧し掛かられているのに、どうして少しも動揺したり逃げようとしたりしないんだよ。俺の気持ちを知っていて、けれどその気持ちに応えるつもりなんて少しもないくせに。

「理由なんざ必要か?」
「………………」
「やりてぇんだろ? 俺に突っ込みたいんだろ? いいぜ。別に減るもんでもないからな」
「どうして――――」

平気な顔してあんたはそんなことを言うんだよ。どうして俺の心はそれでもあんたを抱きたいと訴えるんだよ。
腕の中のあんたの体温は嫌になるほど温かい。あんたに触れている俺は指先まで腹が立つほど熱くなっている。喉がカラカラと渇いて激しい飢えが俺を支配して、理屈も理由も要らないからあんたを食べたいと欲望だけが大きくなっていく。

「俺はたまってる。おまえは俺に突っ込みたい。利害が一致してるんだから問題はないだろう?」

残酷なほど屈託ない返答。
しかもあんたはそれで俺が傷つくのがわかっててそう言うんだ。そしてそれでも俺が後戻りできないほど追い詰められていることもわかってるんだ。

――なぁ、あんたの瞳は冷たいのに、どうして伝わってくる体温はこんなにリアルに温かいんだよ。


幸せアチアチヴァンバルも好きだけど、話としてはこういう切ない系が好きです。身体は重ねられるけど心は重ならない、そんなもどかしい状況。でもどうしようもない心。

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