運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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信者 -バシュバル-

「アンタは国の為に命を捨てるのか」

聞いてみたのは戯れだ。もしくは劇場から漏れ聞こえてきた歌が頭を過ぎったからかもしれない。あなたは私を捨てて国の為に死ぬのかと、醜く引き止める女の歌声が頭から離れずまともに眠れない。

「必要ならば」

これ以上なく簡潔で強固な答え。
そんなことは聞くまでもない。この男は国の礎になる為に生き抜いてきたのだから、礎になることを拒む理由が何処にあるというのか。むしろその瞬間を追い求めていると言ってもいいかもしれない。
決して死に場所を探している訳ではないだろうけれど、自らを捧げる場所を探している。

「あぁ、そうだったな。アンタは信者だ」
「信者?」
「国を信じる者。だから信者。国に尽くすのは宗教に嵌るのと似てる」
「私は神を信じてはいない。道を切り開くのは人の力だけだ」
「その点は同意だけはがな国も宗教も所詮同じだ。信じたら…嵌ったら抜けられない。アンタは立派な信者さ」
「自らの意思だ」
「疑っちゃいねぇよ。だが国も宗教も"上"のものだ。誰も救っちゃくれない」
「君は……救われたいのかね?」

―――救われたい?
考えてもいなかったことだ。あまりにも理解の範疇外だったので目を見開いて瞳を見返すことしか出来なかった。バッシュはこちらの驚きに気づいているだろうに何も言わず何も反応せず、ただじっと返事を待っていた。
だがいったい何を答えればいいと言うのか。いや、そんなことは考えるまでもない。自分は人に救い出してもらわなければならない状況ではないし、人に許しを得なければならないものもない。
それなのに言葉を発するのに必要以上の努力が必要だった。

「………馬鹿言うな。救ってもらうほど落ちぶれちゃいねぇ」
「そういう意味ではない。だが……君も信者だろうに」
「俺は面倒なもの抱え込んじゃねぇよ」
「君は「自由」の信者だ。私と同じでそれが――手に入らぬものと知っていながら追い求めている」
「―――!」

とっさに胸倉を掴み上げたが青い瞳には動揺の欠片も宿っておらず、ただ自分の歪んだ表情だけがその瞳に映っていた。その表情は容易く、旧市街地で僅かな食べ物を奪い合う人々の虚ろな瞳と重なっていく。

―――アイツノ手カラ離レ帝国ヲ出テ、自由ヲ手ニ入レル

あぁ。確かにそれは信仰に似た、純粋だけど拙い盲信。


互いをあまり受け入れないバシュバル、とかどうでしょう?
考えを推測できるけど想像できない、理解できるけど納得できない二人。

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