運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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青い月と赤い瞳 -バルフラ-

今夜は闇色よりも幾重にも塗りこめた藍色を思わせるような空だ。

冬の空は星が綺麗に見える。夏比べて温度による大気の揺らめきが少ないから弱い光でも鮮明に地上に届くのだと、そう言ったのは誰だったか。それとも何かの本で読んだのだったか。
底の見えない海溝を覗き込んでいるかのような黒に近い青さを湛えた空の色が、細く頼りなげに浮かぶ三日月さえも青色に染めているかのようだ。

自分の耳にだけ届く舌打ちを一つ。
扱いなれた銃を構えて間を置かずに引き金を引く。

硝子細工のような夜の中に響き渡る銃声。骨にまで染み込んできそうな硝煙の匂い。軽く伝わってくる銃の反動。
どれもが慣れ過ぎるぐらい慣れているものにもかかわらず、たまらなく無粋なものに思えてくる。出来る訳がないのに自分自身から逃げ出したくなるような感覚と、寒気と暑さを同時に感じる身体と、足が地を捉えられない不安定感。

傍らの木に身体を預けて、そのままズルズルとしゃがみ込む。
それが何の木で、周りがどういう状況かなどと確認する余裕はない。この場に立ち止まる危険を重々承知しつつも、これ以上の移動は物理的に身体が不可能だと訴えている。まともに前に足を動かすという単純動作ですら相当の努力を要する状況なのだから。

「―――ったく、ダセェな」

呼吸をする度に濃度の高いミストが肺を侵すかように、息苦しさと不自由さが強くなっていく。早く抜けなければと思うがミストの見せる幻影が正しい道を隠し、身に受けた猛毒が判断すべき思考を鈍らせる。引き金の感触すらあやふやだ。

じっと朝を待てば誰かが探し当ててくれるだろう。取り合えず朝まで自分の身を守ることに徹していればそれでよく、数時間後には全て問題なく片付いている。それはわかっている。わかっているのに―――

「くそっ。月なんか出てるんじゃねぇよ」

氷のように凍えた三日月が心に突き刺さる。その青白さはまるで死人の手のように禍々しくて生気がなく、この身を掴んで死の国へと引きずり落す呪いのようだ。
そんなことはただの幻想で幻覚で妄想に過ぎない。暗い部屋の隅を指差してお化けが出ると怖がっている子供と同じだ。根拠もないただの愚かな感情の起伏だ。

「―――沈む」
「墜落する、の方が貴方らしいと思うけど?」

青い世界に朱が混じる。

声と共に現れた人影は赤い瞳を煌かせながら、そっとバルフレアの方へと手を伸ばした。続いてふわっと長い髪が現れて、青い空を覆い隠すように銀色の幕を下ろした。
重い肺から無理矢理空気を吐き出して、渾身の力を込めて平静を装いながらその手を取った。そんな自分の取り繕いなど相手には全て見透かされていることなど承知してはいたが、それでもそうすることが自分を保つためには必要だったから。

「―――青より赤の方がいいな」
「この前はルビーよりサファイアの方が良いって言ってなかったかしら」
「時々刻々変わるもんさ」

都合のいい話ねと涼しげな笑みを浮かべる相棒に、バルフレア自身も皮肉な色合いの笑みを返す。そして相手の赤い瞳をしっかりと自分の瞳に焼き付けてから瞼を下ろし、自分の中に侵入してきていた青さを追い出した。


バルフレアはフランの前で表面上は格好つけるけど、心の中は一番自然体で安らいでたりすると萌えたりする。
CPというよりへそ曲がりの息子と何でもお見通しの母親コンビ。ミストの森ではぐれたバルを探しに来たフランという設定だったが良くわからない代物に……。最近着地点の見失うことが多い気がするなぁ。

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