運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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満たすもの -ジェイルク-

アビスのSSですが、ちょっとルークの性格が親善大使系?っていうか、今流行のスレルク?って感じです。例によってネタバレ配慮もなしです。

まぁ、そんな訳で色々ご注意を。





俺は馬鹿で考えなしで、世の中のことを何も知ろうとしていなかった。俺の世界は、屋敷としては大きかったかもしれないが世間としてはごくごく小さなファブレ邸の中だけだったのだから、何かを知る必要なんてまったくなかったのだ。

そして誰も俺に教えてくれようともしなかった。今考えればそれは当たり前。だって父親は息子を18で生贄に捧げるつもりだったのだし、ガイは復讐を秘めていた訳だし、ヴァン師匠は使い捨てにするつもりだったのだから。何かを教えたり間違いを正す必要なんて少しもなかったんだ。

俺は確かにオリジナルの居場所を奪ったし、アクゼリュスを崩壊させたし、罪のない人たちの命を奪ったし、俺の言動で皆を苛立たせたのだし、師匠に使い捨てにもされた。だがそれは全部俺だけのせいか?俺だけが罪を背負わなきゃいけないことか?

「あぁ、やっぱりジェイドはそう言うと思った」

にっこりと笑って顔を上げると、俺に死んでくれと言った人物の表情が動いた。きっとこんな反応が返ってくるとは思っていなかったに違いない。粛々と受け入れるか、死にたくないというか、そのどちらかを予想していただろうに、そのどちらも含ませない笑みを向けられれば死霊使いといえど人間らしい反応をするようだ。
血を湛ええたような赤い瞳が揺れている。

「そう言えば満足?」
「………どういう意味ですか?」
「死ねといえば自分の義務を果たしたことになる。そして死んで欲しくないと付け加えれば良心の痛みも和らげられる。俺に全部押し付けて、そしてジェイドは救われる」
「―――馬鹿馬鹿しい」
「そう?じゃぁ、特別に言ってあげる」

どのような表情を浮かべるか迷っている相手に歩み寄った。手袋越しに掴んだ手は冷たくて、だからその冷たさで俺の心も凍りつかせられる。そっと背伸びをしてアンタの耳元に、俺を刻み付ける冷たい言葉を囁くことができる。

「アンタの為に死ぬよ、バルフォア博士。どうせ被験者様に上書きされちゃう命だからね」

俺らしくない皮肉を込めた言葉がアンタの中の奥の方まで染み込んで、身体中を埋め尽して一生消えない灰色の傷となるだろう。そしてアンタらしくない動揺が俺の中に流れ込んできて、産まれてきた意味すら持たない俺をいっぱいに満たしてくれる。

それだけで滑稽なほど幸せだ。
アンタには教えないけれど。


自分が消えることを受け入れてて、でもジェイドの中に自分を確実に刻みたくて、ワザと酷い台詞をはくルーク……っていう妄想です。ごめんなさい。少し反省してます。

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