運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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子供扱いsideV(ヴァンバル)

 
「俺、バルフレアのこと好きなんだ」
 
ヴァンにとっては意を決しての台詞だったが、バルフレアは僅かに視線をヴァンの方へ向けただけで、またすぐに手元の書類にヘーゼルグリーンの視線を戻してしまった。それが不満で向かいの席に陣取って身を乗り出し、ぐっと顔を近づけてもう一度「好き」と繰り返す。
 
「あぁ、そうか」
「そうかって何だよ!その冷たい返事」
「はいはい。わかったからお子様は早く宿にもどれ」
 
まったく興味ないとばかりに手で追い払われる。
 
「なぁって!」
 
せめて自分を見て欲しくて手元からさっと書類を奪い取って、ようやく顔を上げたバル触れを正面から睨みつける。
睨みつけていたのは怒っていたからではなかった。こんな風にまともに相手にされないだろうことは予想できていたから、冷たい返事も興味のない相槌も怒ったりはしない。ただそうして力を込めていないとヘイゼルグリーンの瞳に吸い込まれて、言いたいことを全て忘れてしまいそうだったからだ。
 
「返せ」
「ちゃんと話を聞いてってば」
「聞いてただろうが。おら、駄々こねてないで返せ。シュトラールの整備が終わらないと先に進めないだろうが」
「………進まなくてもいい」
 
旅の重要性も緊急性も嫌というほどわかってるわかってるけど、それは本心。ここにいる限りバルフレアがどこか遠くへいってしまうことはなくて、シュトラールを整備する少し子どもっぽくてでもとても美しい姿をずっと見ていられる。
 
「――――――はぁ」
 
だが返ってきたのは言葉ではなく呆れを込めた溜め息。肺活量の多さを見せ付けるように長い長い溜息を吐き出して、バルフレアはすっと立ち上がった。
そしてすぐさま追いかけて立ち上がろうとしたヴァンの頭を抑えて、
 
「お子様の相手してる時間はねーんだよ。暫くそこで大人しくしてろ。あ、それとその書類なくしたり汚したりしたら承知しねーぞ」
 
それだけを言い残し、そっけなく出て行った。

テーブルの上にはコインが数枚。ここの酒場の代金だ。
無言で置かれたそれらがヴァンとバルフレアの距離を知らしめるようで、悔しくなってヴァンは無言で握り締めた。だがそこにはまだ少しまだバルフレアの温もりが残っていて苦しくて甘い気持ちにさせられる。
 
「子供扱い、するなよな」
 
消えた背中にそう呟いた。

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