運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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FF3ルーインSS

今回はFF3でルーイン。ルーネス×イングズで。意外にルーネスって攻めの方が向いてるなぁって話。
ルーネスってこんな性格じゃないよーってなお叱りは覚悟の上です。

 
==========
 
「馬鹿馬鹿しい」
 
そう言い捨てて立ち去ろうとした瞬間に押し倒されていた。
背を向けた一瞬の無防備なタイミングで腕を捕まれてねじり上げられ、振りほどこうとした力を利用して突き飛ばされれば踏みとどまることはできなかった。
受身も取れないまま地面に背を打ち付ける、と衝撃を覚悟したが身体に伝わってきた衝撃は思っていたよりもずっと弱く、背に自分のものではない手の感触を感じて瞼を上げた。
 
目の前にはアッシュグレーの瞳。
さらさらと頬に落ちてくるプラチナブロンドの髪。
 
僅かに顔を歪めたルーネスの表情から背に回された手が彼のものであることはすぐに了解したが、突き倒した本人が何故そんなまねをするのかと別の疑問も浮かんでくる。明るい表情を浮かべている顔しか記憶の中にないのに、今目の前にいるのは別人かと思えるほど知らない表情を浮かべている一人の男だ。
 
「―――馬鹿馬鹿しいって思うか?」
 
背中の手をゆっくりと抜いて、けれど身体の両側に手をついた姿勢を変えることなくルーネスは呟く。静か過ぎる声に何をいっているのか理解していても反応がすぐには追いつかなかった。
 
「冗談だと思うか?」
「俺もおまえも男だぞ。そんなこと――許されない」
「許されない、か。おまえらしいなイングズ。でもいったい誰が許さないって言うんだ?」
「それは………」
 
そんなのは世間が許さない。非常識だ。頭がおかしくなったのか。投げつける言葉はたくさん頭の中に浮かんでくるのにそのどれも音として発することができなかった。原因は不利な体勢の為だ、急なことで頭が混乱しているのだと一人言い訳を繰り返して、けれどそれら全てが薄雲の向こうに見える月の光のようなルーネスの瞳に打ち消されていく。
 
ルーネスの瞳はこんなにも淡くて美しい色合いをしていただろうか。普段の笑っている表情では瞳の奥までのぞき見ることはできなかったが、こうして音もなく向かい合っていれば吸い込まれそうなほど深い湖のようだ。月夜にひっそりと照らされた小波一つない湖面のようで、覗き込むものを溺れさす魔力を秘めているようだ。
 
「じゃぁ、おまえの好きな言葉に代えてやるよ」
 
小さな雫が創り出した小さな小さな波紋は、けれど次第に大きな輪となって全体に広がる。
真剣な瞳はそのままに形のいい薄い唇の端が少しだけ持ち上げられると、ルーネスは捕らえるようについていた手を離して上体を起こした。そして流れるような動作でイングズの手を掴み引き起こしたかと思うと、片足を地面につけ恭しくその甲に唇を落とした。
 
「―――なっ!」
 
慌てて振り払おうとしたが一瞬早くルーネスがその手を握り締めて離さない。イングズは今自分の身に起きたことを整理しようとしたが、身体を駆け上ってくる熱が正常な思考を妨げるように頭の中に広がる。
 
「これでどうだ?」
「な、何のつもりだ!」
「何のつもり?おまえの兵士としての流儀に倣ってみたんだけど?イングズ、おまえに永遠の―――俺の忠誠を」
 
楽しそうに語りかけるルーネスに、イングズの中にあったはずの抗議の言葉は全て掻き消されてしまっていた。
冗談と揶揄に塗り固められた空々しい忠誠の言葉。それなのに何故かイングズの心の中にすとんと落ちてきて、内部から身体中に染み込んで離れようとしない言葉。
 
これはきっと闇の力よりも性質の悪い、全てを飲み込む力だ。何かが駄目だと囁くのに、別の何かが手を伸ばせと強要する。手を伸ばせば自分もその中に取り込まれて、きっと逃げられなくなるのだということがわかる。
 
それでも………もう遅いのかもしれない。
 
「お…俺に忠誠を誓うっていうなら、まずは世界を救うことが先決だ」
「―――仰せのままに。……はははっ」
 
必死に取り繕っても全てばれているようで、それでも上げ足を取ることなくルーネスは笑顔を浮かべたまま了承の言葉を返す。全ては忠誠の形をとったゲームだと、そういっているかのよう。
もう本当に遅いかもしれない。一瞬心に浮かんだ自分の感情に心の中だけで降伏する。
 
忠誠ではなく愛だと、そう言われていたら取り繕うこともできなかっただろうと。
そしてルーネスもそれを承知で、忠誠だと言ったのだろうと。

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